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EU、米工業品の関税撤廃で政治合意

2026年5月21日 (木)

国際欧州委員会は20日、EUと米国の貿易合意の実施に向け、欧州議会とEU理事会が2つの規則案で政治合意したと発表した。米国産の全工業製品に対する関税を撤廃し、一部の米国産農水産品に優遇的な市場アクセスを認める内容で、2025年8月21日のEU・米国共同声明に基づく措置となる。今後、欧州議会とEU理事会で正式採択手続きに入り、早期発効を目指す。

今回の規則により、EUは米国からの工業品輸入を広く自由化する。欧州委員会は、EUの産業界や消費者が必要とする物資をより安く、安定的に入手できるようになると説明している。一方で、輸入増加がEU産業に損害を与える、またはその恐れがある場合に備え、セーフガード条項も盛り込んだ。貿易量を定期的に監視し、米国からの輸出急増に対して迅速に対応できる仕組みとする。

また、EU・米国共同声明で示された約束の履行を確保するため、一定の条件下ではEU側が関税譲許を一部または全面的に停止できる。自由化を進める一方、通商上の不均衡や供給混乱に備える設計となっている。

大西洋を挟むEU・米国間の貿易・投資関係は世界最大規模で、25年の物品・サービス貿易は1兆7000億ユーロを超えた。物品貿易は9110億ユーロ、サービス貿易は8650億ユーロに上る。欧州委員会によると、毎日49億ユーロ超の物品・サービスが大西洋を越えて取引されている。

関税撤廃により産業財の調達コストや取引条件が変わり、航空機部品、汎用医薬品、天然資源関連品目などを含む大西洋間のサプライチェーンに影響する可能性がある。米国は多くのEU輸出品について、乗用車・自動車部品を含めて関税上限を15%に維持する方針を示しており、EU側は工業品関税の撤廃で応じる。関税面の予見可能性が高まれば、欧米間の生産、調達、在庫配置、国際輸送の設計にも影響が及ぶ。

自由化措置は正式承認後、29年末まで適用され、延長の可能性もある。両者は今後、追加品目の関税引き下げ、非関税障壁への対応、経済安全保障、重要鉱物、世界的な鉄鋼過剰供給問題でも協力を続ける。

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