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ワイヤーロープ利用、頂部の応答加速度を2分の1程度に低減

戸田建設、立体自動倉庫の揺れを半減させる工法開発

2014年7月24日 (木)

産業・一般戸田建設、立体自動倉庫の揺れを半減させる工法開発01戸田建設は23日、東日本大震災クラスの地震でも立体自動倉庫の揺れを半分程度に低減することができるワイヤーロープを利用した「立体自動倉庫制震工法」を開発した、と発表した。

自動倉庫の積荷の量は常に変動しているが、同社が開発した工法はこうした変動にも対応できる。積荷の落下やラック自体の損傷を防ぎ、大地震後の事業継続性を高めることにつながる。

戸田建設、立体自動倉庫の揺れを半減させる工法開発02生産・物流施設では、効率的な機能や事業継続性などに力を入れたテナント企業のニーズに対応するため、「先進的な生産・物流施設」を実現する、作業効率の高い立体自動倉庫を構成する提案が増えているが、大地震後の事業継続性を考慮すると効果の高い荷崩れ防止策が必要となり、その分コストが上乗せされるという課題がある。

このため、戸田建設は揺れを低減する高い制震性能を持ちつつ、ローコスト化を可能としたワイヤーロープを利用した立体自動倉庫制震工法を開発。立体自動倉庫に地震が作用した場合、ラックは間口方向に大きく揺れ、頂部には大きな変形が生じるが、新開発の制震工法は、ラックの基部と頂部の間を制震装置を介したワイヤーロープで結ぶことで、ラック頂部に生じる変形を制震装置に伝達し、効率的なエネルギー吸収を図る。

筑波技術研究所の振動台を用いたパイロット実験では、東日本大震災時に関東で観測された地震に対し、頂部の応答加速度を2分の1程度に低減。この工法の低減効果が優れていることを確認した。また、解析により実験結果を高い精度でシミュレートできる。

今後は、立体自動倉庫を模した振動台実験を行い、ワイヤーロープを利用したこの制震工法の性能検証を行う。