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大林組、立体自動倉庫向け制振技術を実用化

2012年4月13日 (金)

話題大林組は12日、地震時に立体自動倉庫で荷物の転落災害が起こるのを防止できる、低コストの連結制振構造を実用化したと発表した。

 

集合住宅などをターゲットとした代表的な制振技術「デュアル・フレーム・システム(DFS)」と同様の原理を用いた、立体自動倉庫の連結制振技術を実用化したもので、ラックからの荷物落下を防止するだけでなく、建屋、ラック自体の耐震性を同時に向上することが可能。

 

既に実物件への適用が計画されており、これまでの免震倉庫や免震ラックと比べ、新築倉庫の場合で約15%コストを抑えることも確認したという。

 

新技術は、建屋の屋根材とラックの上部とを制振ダンパーで連結。剛性の大きい建屋と剛性の小さいラックを制振ダンパーで連結することで、制振ダンパーが建屋とラックの揺れの違いを吸収するため、それぞれの揺れを小さくすることが可能となる。

 

試設計した例では、連結制振技術を採用した場合、採用しない場合と比べてラック頂部の揺れを地震時の応答加速度レベルで約3分の1程度に低減することが分かった。ラック内の荷物の落下防止、建屋への過大な地震入力の制御ができ、建屋に対しても制振効果を発揮する。

 

新築時だけでなく、既存の立体自動倉庫へも適用できる。既存倉庫へ適用する場合、状況に応じて倉庫機能を短期間休止して施工する方法、倉庫機能を維持しながら施工する方法を適用する。

 

新築倉庫の場合、通常の免震構造と比べて約15%のコストダウンが可能になり、既存倉庫の場合でも新築時建設費の約20%-40%の改修コストで設置できる。大林組では「新築物流倉庫、既存の物流倉庫へ積極的に提案・展開する」としている。