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戸田建設、立体自動倉庫の振動低減する工法開発

2015年5月11日 (月)

拠点・施設戸田建設、立体自動倉庫の振動低減する工法開発戸田建設は、昨年開発した「ワイヤーロープを利用した立体自動倉庫制震工法」の性能検証実験を行った。実機を模擬した試験体を製作し、東北地方太平洋沖地震(2011年)の観測地震動を用いた加振実験を実施、揺れの低減効果を検証した。

生産・物流施設では、「先進的な生産・物流施設」を実現するため作業効率の高い立体自動倉庫を構成する提案が増えている一方、大地震後の事業継続性(BCP)を高めるために効果の高い荷崩れ防止策が必要となり、その分コストが掛かるという課題がある。

戸田建設、立体自動倉庫の振動低減する工法開発そこで、同社は揺れを低減する高い制震性能を持ちながら、ローコストな制震工法を開発した。立体自動倉庫に地震が作用した場合、ラックは間口方向に大きく揺れ、頂部には大きな変形が生じるが、同社が開発した制震工法は、ラックの基部と頂部の間を制震装置を介したワイヤーロープで結ぶことで、ラック頂部に生じる変形を制震装置に伝達し、効率的なエネルギー吸収を図る。

ラック頂部の変形を利用して制震装置がエネルギー吸収を行うため、積荷の多寡によらず制震効果が期待できる。高い制震効果を持つため制震装置の設置基数を抑えることができ、市販の制震装置も利用できる。

制震装置はラック頂部のわずかなスペースにワイヤーロープを介して設置するため、パレットを占有することがなく、倉庫の稼働率に対する影響はわずか。省スペース性を生かし既存のラック倉庫にも適用できるという。

実験概要では実機を模擬した試験体を製作し、ワイヤーロープを利用した制震工法の性能検証実験を実施。東北地方太平洋沖地震で観測された地震動などを用いて加振実験を行い、頂部の変位や加速度を3分の1から半分程度低減できることを確認した。

戸田建設、立体自動倉庫の振動低減する工法開発 戸田建設、立体自動倉庫の振動低減する工法開発

今後は、立体自動倉庫の導入を検討している物件を対象に工法を提案していく考えで、工法が適用された場合に最大限の効果が発揮できるよう、振動解析やシミュレーションなどを行う。