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輸送基盤の構築支援で県と協定締結

ヤマト運輸、青森県発の翌日午前配達地域を10倍超に拡大

2014年7月24日 (木)

ロジスティクスヤマト運輸、青森県発の翌日午前配達地域を10倍超に拡大青森県とヤマト運輸は24日、「青森県ロジスティクス戦略」に基づき、県産農林水産品の国内外への流通拡大を物流面で支援する「青森県総合輸送プラットホーム」の構築を行い、同県から翌日午前に配達できるエリアを現状の7.5%から84.7%へ拡大する、と発表した。同日、県庁で連携協定に調印した。

青森県は首都圏や関西圏といった大消費地との距離が離れており、翌日午前中に配達できるエリアは人口カバー率で7.5%と、ほかの農林水産品産地と比べて時間・距離の面で地理的に不利な条件となっている。特に生鮮品は、収穫(漁獲)から小売までに要する時間が付加価値に直結するため、西日本へ輸送する場合はスピードと鮮度保持が欠かせない。

また、アジア圏で日本の農水産品輸出に対する高いニーズがありながら、海外への販路、検疫・通関などの手続き、商品代金の回収などが障壁となり、生産者が販路拡大に二の足を踏んでいた。

これらを踏まえ、県は第一次産業を物流面で支援するため、官民連携した青森県ロジスティクス戦略を策定し、ヤマト運輸を連携事業者として選定した。

ヤマト運輸が事務局となって構築しようとしている「青森県総合輸送プラットホーム」は流通拡大に向けた新たな輸送インフラで、県農林水産品の生産者・事業者ニーズを捉え、鮮度・品質を維持し、日々出荷できる恒常的な輸送プラットホームをイメージ。

国内は関東や西日本の大消費地、海外は東アジア・東南アジア地域など、想定する消費地へのプロモーションを県が実施することで、国内外への流通拡大を支援する。

具体的には、通常の宅急便の幹線輸送と別に新たな幹線輸送を構築。陸送で「青森-仙台幹線」の新たな幹線輸送ダイヤを設け、仙台から首都圏へは新たな陸送の幹線輸送ダイヤを設定し、中部や西日本に向けては仙台空港から大阪の伊丹空港まで航空輸送ネットワークを利用する。

これにより、輸送のスピードアップを図り、青森県から翌日午前中に配達できるエリアを7.5%から84.7%と10倍以上に拡大する。沖縄国際物流ハブなどのネットワークを活用し、海外へも届ける。これまで海外への販路を持っていなかった生産者に対しては、販売チャネルの提案や商談会などを通じて販路の拡大を支援。今後、輸出入の手続き、書類作成の支援なども段階的に行う。