ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

コカ・コーラ、物流網活用しアフリカへ医療品支援

2014年8月1日 (金)

国際日本コカ・コーラはこのほど、同社の物流網を活用してアフリカに救命医療品を行き渡らせる「ラストマイル・プロジェクト」の取り組みを公開した。

取り組みのきっかけは「その物流網の力で、世界中どこにいてもコカ・コーラのボトルを見かけることができるのなら、救命医療品の配送にも可能性があるのではないか」という問いだったという。

ザ・コカ・コーラカンパニーや世界エイズ・結核・マラリア対策基金、ビル&メリンダ・ゲイツ財団などの官民が連携した「ラストマイル・プロジェクト」が発足したのは2010年。

コカ・コーラシステムが持つサプライチェーン、流通、物流、マーケティングの知見を活用し、アフリカ各国政府がアクセス困難な僻地までの最終地点に届くまでの最後の区間(ラストマイル)へ、必須医薬品や医療物資を供給することを支援するため、タンザニアで発足したもので、発足から3年後の13年には、プロジェクトのカバーする地域がガーナまで拡大した。

プロジェクトの共同出資者と米国国際開発庁(USAID)は先頃、「今後5年間で、モザンビークを皮切りにアフリカ8か国にまで提携範囲を拡大する」との意向を発表。

この提携を通じ、プロジェクトの共同出資者とUSAIDは、新たに2100万米ドル超を共同で出資し、相当量の物的資源を提供する計画となっている。

タンザニアの医薬品供給庁(MSD)からタンザニア・プワニ州のルフィジデルタ地方にあるクリニックへ届けられた医薬品(出所:日本コカ・コーラ)

タンザニアの医薬品供給庁(MSD)からタンザニア・プワニ州のルフィジデルタ地方にあるクリニックへ届けられた医薬品(出所:日本コカ・コーラ)

この取り組みは、イェール大学グローバルヘルス・リーダーシップ研究所とアクセンチュア・デベロップメント・パートナーシップ部門、地球環境技術財団(GETF)の専門知識と、提携企業4社の資源を相互に補い合うもので、提携企業は必須医薬品や医療物資の調達と流通を担う政府担当諸機関内に、医薬品の需要を予測して、より市場で入手しやすくする方法を構築したり、医薬品、ワクチンを適温で保管するための冷却装置の管理ノウハウを構築する。

世界保健機関(WHO)によると、アフリカで暮らす半数の人々が必須医療品を入手できず、その理由としては非効率なサプライチェーン、インフラの不整備、限られた輸送資源によるところが大きいという。

ザ・コカ・コーラカンパニーのムーター・ケント会長兼最高経営責任者は「ザ・コカ・コーラカンパニーにとって、アフリカは85年以上にわたる大切な顧客。そこで、アフリカの人々がより健康的で活動的な生活を送ることができるように支援する取り組みを行っている。当社の知見が、医薬品・医療物資配給の改善に役立つのであれば、これほど光栄なことはない」と、取り組みの意義を説明している。