ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

新工場取りやめ現工場を改造、労組と妥結

近畿車両、米国車両工場の建設計画を見直し

2015年1月4日 (日)

国際近畿車両は、米国子会社がロサンゼルス郡都市交通局から新型都市交通電車(LRV)を受注した案件を機に米国西部に新設する、としていた車両製造工場の建設計画を見直す。

同社はLRV78編成(2両1編成、総額3億ドル)と4次にわたるオプション157編成のうちの1次、4次の97編成(2両1編成、総額3億6000万ドル)を受注。米国子会社がロサンゼルス郡パームデール市から誘致を受け、郡都市交通局との合意で建設計画を進めていた新工場建設予定地について、ロサンゼルスを拠点とする労働組合が「カリフォルニア環境品質条例で要求されている検証が実施されておらず、絶滅危惧種への配慮もされていない」と主張を行い、建設の着手が延期を余儀なくされていた。

米国子会社はパームデール市と協力して労働組合側と交渉を続けたが、交渉は長引き、「新工場建設の着手時期の大幅な遅れのためオプション契約車両の納期厳守の立場から、当初の新工場建設計画を見直さざるを得ない」と判断。

「次善の策」を検討した結果、ベース契約車両の内装・艤装・台車組立工事を行っているパームデール市のFA工場とその周辺の工場建屋を改造し、構体製造も合わせて行うことで対応することにし、このほど労働組合と妥結、郡都市交通局の了承も得たという。工場はロサンゼルス案件対応を主な目的とし、同国での新工場建設は未定、としている。

当初の計画では、ベース契約車両は構体と台車枠を日本で製造し、内装・艤装・台車組立工事は現地でFA工場をリースして実施する従来の方式で行うが、オプション契約車両は契約条件の1つである雇用創出の要件を満たすため、日本で行っていた構体製造も米国で行うことにし、内装・艤装・台車組立工事も含めて行う新たな工場の建設を検討していた。

現在、進行中のベース契約車両は、先行車(2両1編成)を予定より1週間早く当局に納入しており、今回の見直しに伴う車両納入スケジュールの変更はない、としている。