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JFE物流、新型ウイング車開発、京浜-北関東に1号車投入

2011年5月27日 (金)

荷主鋼材輸送・一般消費材輸送に併用可能な新型トレーラで共同輸送体制を強化JFE物流は26日、天井クレーンによる荷役作業が可能なウイング車「ルーフスライドウイングトレーラ」を導入したと発表した。これにより、同社は「幅広い顧客に輸送効率化を提案できるようになった」としている。

 

開発した新車両は、ルーフ(天井)部分が折りたたみながら左右にスライドすることで、天井クレーンを利用した積み下ろしを可能にしたもので、これまでのウイング車では扱えなかった鋼材も積載可能となった。

 

庇部分が濡れ防止の役割を果たし、金属製ボディというウイング車の特性を併せ持つ。この車両を導入することで、往復併用輸送の対象貨物が拡大し、一般消費財や精密機器など品質管理が厳しい貨物の輸送が可能になったほか、幌車に比べて荷役時の能率・操作性の向上にもつながったという。

 

新車両は日本トレクス(愛知県豊川市)と共同開発した。車両の導入と運航はJFE物流のグループ会社であるJ-ロジテックが行う。現在、JFE物流グループでは京浜地区から北関東方面に向けて1日70台を超えるトレーラによる鋼材輸送があり、5月下旬から新車両の1号車を投入、その帰り便として北関東から都心へ飲料を輸送する。JFE物流では「今後、需要に応じて2号車の導入を検討し、対象貨物の拡大と環境に配慮した物流提案を進める」としている。

 

同社は2008年にバンテックと共同で、鋼材と自動車部品を同一車両で輸送できる併用車両を開発・導入し、両社で共同輸送を開始。当時の車両は、上部と側面を覆う幌を電動で動かすことで、鋼材輸送時には天井クレーンから垂直荷役を、自動車部品搬入時にはフォークリフトによる水平荷役を可能にしたもの。この車両を導入したことにより、往きは鋼材、帰りは自動車部品のラウンド輸送と、輸送効率化によるCO2削減につなげた実績がある。

 

■新規開発車両の概要
車種:ルーフスライドウイング架装平床式セミトレーラ(RSW)
最大積載量:24トン
荷台寸法:内法長1万2500ミリメートル、内法幅2370ミリメートル、内法高2200ミリメートル
CO2削減効果:年間1台当たり約47トン(一般家庭の年間排出量の10世帯分に相当)