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ドライバー不足の理由「定着しないから」が最多、熊本県ト協調べ

2015年3月17日 (火)

調査・データ熊本県トラック協会は17日、会員の運送事業者におけるドライバー不足と労働力確保の現状を把握するため、784事業所を対象に実施したアンケート結果を公表した。248事業所が回答(回答率31.6%)した。

調査結果によると、ドライバーの年齢層は45歳以上65歳未満が51.8%を占め、中高年ドライバーによって構成されている状況が明確になった。若年層(25歳未満)のドライバーは2.5%と少なく、今後の人材確保が課題となった。

勤続年数は10年未満が66.7%と3分の2を占めた。同協会はこの結果に対して「ドライバーとして長続きしないことが顕著で、会社の労務管理などの問題から転々と転職している傾向も見られる」と指摘した。

現在のドライバーの不足感について、「非常に不足している」と回答したのは11.2%。「やや不足」(46.7%)と合わせて不足感を感じている事業者は57.9%と過半数にのぼったものの、不足していないと回答した事業者も42.1%となった。

さらに、不足している理由としては、「輸送量が増加しているため」との回答が27.4%にとどまり、最も多かったのは「ドライバーが退職したため」(50.9%)で過半数を占めた。

不足しているドライバーの免許種別は大型免許が58.8%と多く、限定解除を含む中型免許と限定中型免許(旧普通免許)がともに13.9%で続いた。

こうした結果を受け、同協会は「ドライバー不足が6割を占めているが、その要因はドライバーが定着しないなどの退職にある」と指摘。事業者の雇用希望は大型免許取得者が大半を占めていることについては「即戦力としてのドライバー雇用を望んでいる」との見方を示した。

このほか、女性ドライバーの採用については「採用していない、または採用を考えていない」との回答が42.6%を占めて最多となり、その理由で圧倒的に多かったのは「業務上、女性では難しい面もあるから」との回答だった。

高校新卒者の採用については「採用していない、または採用を考えていない」が65.1%と3分の2を占めた。次いで多かったのは「なんとも言えない、分からない」で23%となり、「採用している、または採用を考えている」との回答は11.9%にとどまった。

理由としては「新普通免許で運転できる車両が少ないから」が最も多く、「若年ドライバーを育成する余裕がない」「ほかのトラック事業者からの転職者のほうが使いやすい」と続き、運送事業者の厳しい経営環境を反映した結果となった。