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運送事業者と高校生による業界イメージ「否定的」で一致、神奈川県ト協調べ

ドライバー不足、大型化するほど不足感鮮明

2014年6月3日 (火)

調査・データ神奈川県トラック協会は3日、トラック運送業で少子高齢化に対応した労働力確保をテーマとした調査を実施し、集計結果を公表した。会員の運送事業者に対してアンケート調査を、県下17高校の在校生を対象に、運輸業務や職業選択に関する意識調査をそれぞれ実施した。

調査結果によると、事業者向けアンケートでは6割以上がドライバー不足だと回答。ドライバーが不足している免許の種類としては、大型免許を挙げた事業者が51.9%、限定中型免許(旧普通免許)が37.2%、限定解除を含む中型免許が35.5%、けん引免許が16.6%、新普通免許が7.4%——と、大型化するほどドライバー不足の深刻さが増していることが分かった。

また、事業者側が考える「ドライバー採用の障害となる求職者のドライバー業務へのイメージ」に関する質問(複数選択)では、「労働時間が長い」と答えた事業者が72.8%に上り、次いで「賃金が高くない」(65.3%)、「社会的評価が高くない」(41.4%)——と、労働条件に関する項目が上位を占めた。

協会はこれらの結果に対し「高校生(若年者)の採用に際して、中型免許制度と育成の余裕がないことが生涯になっている」「ドライバー業務のイメージとして、労働時間、賃金水準、危険度の労働条件が良好でないと認識されている」とまとめた。

一方、高校生向けアンケート(県内高校生1273人が回答)では、職業選択で重視する要素として「経営が安定している点」との回答が52%で最多となり、「仕事のやりがい」(48.4%)、「給与水準が高いこと」(41.2%)を挙げた高校生も多かった。

運輸関係の仕事やトラックドライバーに対する就業希望に関する質問では、「考えていない」が全体で72.8%、男子生徒で62.8%、女子生徒で83.2%。逆に、「考えている」と回答したのは全体で4.2%、男子生徒6.2%、女子生徒2.2%となった。運輸関係の仕事やトラックドライバーを将来就きたい職業の一つとして考えている割合は非常に小さいが、男子では若干高くなる結果が明らかになった。

同協会は「事業者と高校生のドライバーに対するイメージは、労働時間、賃金水準、業務の危険度について否定的な内容で合致」していることを指摘した。

■会員事業者向けアンケート結果
ドライバーが不足する免許の種類

事業者側が考えるドライバー採用の障害となる求職者のドライバー業務へのイメージ

■県内高校生の調査結果
高校生が職業選択において重視する要素

運輸関係の仕事やトラックドライバーに対する就業の希望