どうする人手難、官民の最新動向やDX技術を検証

イベントメディアが喧伝するまでもなく、物流の現場自体が何よりも「人手不足」を体感しているのではないだろうか。今は大丈夫でも、それが1年先、3年先まで万全と考える現場などないはずだ。

人手に頼っている作業を、人を入れ替えることで続けていくことこそが、今後もっとも難易度の高い業務となってもおかしくない。限られた人材の取り合いは、狭い物流業界だけが舞台ではない。これまで以上に賃上げ圧力が高まり、経営リスクとなる。もはや現場の自動化、効率化は、やるかやらないかではなく、何ができるか、どこを目指すかを検証する局面といえる。

もちろんコストや運用見直しは大きな課題だ。とはいえ、必要な投資、改善に向けた覚悟なくしては、事業成長の道筋は描けないだろう。多様化し、変化する物流へ先手を打つことが、負けない企業作りに不可欠だ。

MONOistは6月20日、ロジスティクスDXの現状と課題解決策を探るライブ配信セミナー「物流革新 2025 〜人手不足時代のロジスティクスDX戦略〜」を開催する。人手不足時代だからこそ、他社と差別化できる物流の構築、社会インフラとしての物流で社会貢献できる企業価値の創出について、最先端の情報や知見を共有する機会となる。

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▲経済産業省 商務・サービスグループ 消費・流通政策課 物流企画室 室長補佐の大西智代氏

基調講演には、経済産業省 商務・サービスグループ 消費・流通政策課 物流企画室 室長補佐の大西智代氏が登壇。物流革新に向けた改正法は、人手不足時代のあるべき物流構築に一丸となって取り組むことを促すもの。荷主の物流効率化のための投資を促す実証事業を用意し、フィジカルインターネットが実現した社会においても活躍できる企業への成長を後押しする政府の姿勢も明らかになるだろう。

▲オリンパス サプライチェーンマネジメント 日本地区 物流統括 ロジスティクスフェロー/シニアエキスパートの原英一氏

また、もう一つの基調講演には、DXによる物流現場の改善に早くから取り組んできたオリンパスが登壇。「現場から生まれたDX」をキーワードとして、現場主義や自社完結を貫いて成功へと導いた物流センター自動化事例について、主導した同社サプライチェーンマネジメント 日本地区 物流統括 ロジスティクスフェロー/シニアエキスパートの原英一氏の知見が紹介される。

さらに、企業セッションとして、進歩著しいAIが物流に与える可能性について、SHIFTが講演。ノーコード／ノープロンプトAIなど取り組みやすい効率化のヒントを提供する。またブリヂストンは、人ならではの器用さ、繊細さが特長のソフトロボットハンドによるピースピッキングの自動化最新技術を紹介する。さらにLINE WORKSによる講演では、スモールスタートDXをテーマとしてコミュニケーションツールとAIによる業務効率化、初期投資を抑えつつ実施する現実的なDX推進方法が示される予定となっている。

スモールスタートから一歩先の取り組みまで、官民による物流革新の最新動向を確認してもらいたい。