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T2、自動運転トラックで国内最長500キロ走破

2025年6月13日 (金)

ロジスティクス自動運転トラックによる幹線輸送の事業化をめざすT2(東京都千代田区)は13日、神奈川県綾瀬市から神戸市までの500キロの高速道路区間を自動運転トラックで走破する実証に初成功した。今回の実証は2025年のレベル2自動運転トラック事業化を目前に控え、技術拡張性と社会実装への進展を確認する重要な試みとなった。

▲T2メンバー(神戸市「ポーアイしおさい公園」にて)(出所:T2)

同社は6月上旬、東名高速道路綾瀬スマートインターチェンジ(IC)から阪神高速道路・魚崎出入口まで、自動運転での500キロ走行に成功した。レベル2自動運転トラックが国内でこの距離を連続走破した例は初めてとなる。2024年12月の駿河湾沼津SA(サービスエリア)―豊田東JCT(ジャンクション)間の180キロ走破の記録を大幅に更新した。道中の自動運転率は99%に到達。夜間から明け方の視認性が低いなかでも安全性と技術の高さを示した。

▲神戸方面に向かうT2のトラック(出所:T2)

同社は2024年問題下での物流危機への対応として、多様な業界各社と自動運転トラックの実証実験を推進してきた。幹線輸送実現のため、GPSが使えないトンネル・坂道・カーブなど不安定な条件下でも走行レーン内を安定して走れる技術、夜間や悪天候でも周辺車両を正確に検出する技術などを開発した。さまざまな積載物や重量に対応した運行を実証し、ことし1月以降の累計走行距離は6万キロを超えた。

▲レベル2自動運転(ドライバー乗車の上、手放し)の様子(出所:T 2)

また、周辺車両の動きに自律判断で対応し、安全な車線変更や急勾配・急カーブを安定してクリアする技術を新たに開発した。今後はレベル2自動運転トラック事業化に続き、27年にはレベル4による幹線輸送開始を目指して先進技術開発へ注力する。

この実証走行と並行し、同社は神戸市とも連携を開始。「神戸複合産業団地南地区産業団地」(仮称)付近の市有地を活用し、自動運転と有人運転の切り替えや車両整備を担う拠点開発を本格化させる。同市の都市局は、ドライバー不足や温室効果ガス抑制への対応として、自動運転幹線輸送サービスの取り組み強化に期待を寄せている。

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LOGISTICS TODAY編集部