サービス・商品気象情報サービスのウェザーニューズ(千葉市美浜区)は12日、港湾作業や海上工事の事業者向けの気象サービスを始めたと発表した。法人向けの気象情報「ウェザーニュース for business」で、港周辺の風や潮流の詳細な情報を、オプションとして提供する。港湾での荷役作業や海上工事の安全性向上に寄与するとしている。
同サービスでは、同社が新たに開発した気象予測モデルを用いて、100メートルメッシュの解像度で港周辺の風や潮流を30分ごとに算出する。これによって12時間先まで、30分単位での風や潮流の予測を利用者に提供するほか、7日先までの天気、風、波、降水量、気温、視程の予報も1時間単位で確認できるようにする。
複数のスタッフが同時に閲覧できるため、現場周辺の局地的な気象状況や潮流の変化を察知して作業中断をタイムリーに判断したり、ピンポイントの週間予報をもとに最適な作業計画を立てたりすることができる。また、任意の地点や全国の港の予測をPDF形式で出力でき、作業記録の保存や、詳細な作業報告書の作成などの業務負担も軽減できる。
近年、海上工事の規模の大型化や工法の複雑化が進んでおり、気象や海象が工事の安全性や工程に与える影響が大きくなっている。また、大型クレーンを使った港湾の荷役作業は強風や高波によって、安全性が大きく左右される。港湾内での船舶の入出港や接岸作業でも、風や潮流の正確な把握は、衝突回避や定時運航に欠かせない。
こうしたことから、港湾の荷役作業や海上工事における安全性の向上と効率化を図るため、新たなサービスを開発した。
同社の創業のきっかけは1970年に発生した爆弾低気圧による貨物船沈没事故だった。「今後も予測モデルの開発や精度向上に努め、港湾業務や海上工事に関わる人たちの安全性向上を支援していく」としている。
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