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キリンビール、ロシアの製造委託先見直し、物流リードタイム大幅短縮

2011年6月22日 (水)

荷主キリンビールは22日、欧州統括会社のキリン・ヨーロッパ社がロシアでの製造委託先を、同国9位のモスクワ・ブリューイング・カンパニー社に変更し、5月末までに「KIRIN ICHIBAN(キリン一番搾り)」ブランドの製造を開始した、と発表した。これにより、これまでモスクワへ6日程度かかっていた輸送時間を大幅に削減し「より鮮度の高いビールを提供することが可能になる」としている。

 

さらに、新たなスキームのもとで販売活動も強化し、2011年は対前年60%増の販売目標を掲げ、高い成長性が見込めるロシア市場で飛躍を目指す。

 

ロシアでは、2006年から販売契約を結んでいるノースウインズディストリビューション社を通じ、イワン・タラノフ社カリニングラード工場に製造を委託してきたが、モスクワ・ブリューイング・カンパニー社のモスクワ工場に委託先を変更。

 

モスクワまでの輸送距離は、これまでのカリニングラードからだと約1100キロメートル離れていたが、モスクワ・ブリューイング・カンパニー社モスクワ工場からはわずか約20キロメートルと、物流リードタイムを大幅に短縮、鮮度の向上に加えてCO2排出減にもつながる。

 

また、製造と販売の委託先を統一することで、市場の実態をスピーディーに反映した柔軟な製造計画を組むことが可能になるメリット見込む。

 

これを機に、新たな体制下でマーケティング活動も強化する。ロシアで「KIRIN ICHIBAN」ブランドの存在感を高めるための積極投資を行い、POPなどの販促品の積極展開を行うほか、新たに広告も投入していく。

 

さらに、今回の製造委託先変更に合わせ、「KIRIN ICHIBAN」を日本国内と同様に「麦100%」へリニューアルした。これにより、ドイツ、イギリス、アメリカ産とともに、欧米20か国以上で製造・販売する「キリン一番搾り」は、すべて麦100%の商品になる。