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テレネットとJ-Mobile、IP無線利用し音声で緊急地震速報

トラックの津波対策可能に、移動先の緊急災害情報配信

2015年5月27日 (水)
トラックの津波対策可能に、移動先の緊急災害情報配信

(出所:テレネット、J-Mobile)

サービス・商品テレネット(長野県飯田市)とJ-Mobile(東京都中央区)は27日、災害時の通信手段として注目を浴びているIP無線機に、移動地点に合わせて瞬時に音声で緊急災害情報を配信する緊急災害情報配信サービス「DEWS」(デュース)を6月1日から開始する、と発表した。

IP無線機は世界で1600万台、国内では15万台が稼働しているが、国内でIP無線サービスを展開しているJ-Mobileと、法人向けに災害対策を提供しているテレネットが連携し、J-Mobileの位置管理サービス(LBS)と地震対策のテレネットが開発した災害警報を組み合わせて開発した。

通常、高度利用型の緊急地震速報を受信するには専用受信機を建物内に設置し、あらかじめ登録した地点に対する情報を受信するしか方法がなく、配信対象地点が常に移動してしまう車両では高度利用型の緊急地震速報を受信できる機械がなかった。このため、車両では地震や津波の事前情報を入手できず、発災してからの初動安全対策を施すことが困難だった。

また、従来の携帯電話などで受信する緊急地震速報は、緊急アラート音だけで受信者ごとに正確な予測震度や猶予時間を提供できなかった。

両社が開発したDEWSでは、配信箇所を登録し直す作業が不要で、IP無線機端末のGPS機能を使って位置情報を把握する。端末ごとに具体的に地震の揺れの強さや猶予時間、津波到来情報や気象情報などを音声ガイダンスで通知するため、運転者は安全確保に必要となる緊急災害情報を瞬時に知ることができる。

運転中に端末を見なくても、自分があと何秒でどの規模の地震を受けるのかを先に知ることができ、事前の減速や安全停止が可能となることから、車両の運転手やバスなどで移動中の乗客の安全性を高めるのに適している。

今後、J-MobileではDEWSをIP無線機「NEXNETIIシリーズ」のオプションとして付加し、テレネットは別ブランド名「ハザードトーク」として販売していく。

今月25日に発生した関東地方の震度5弱の地震では、一般の携帯電話で一時通話困難な状況になったが、「NEXNETII」「ハザードトーク」は問題なく使用することができたという。