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JMU、1万4000TEU型船に構造アレスト技術を初適用

2015年7月8日 (水)

荷主ジャパンマリンユナイテッド(JMU)は8日、JFEスチールと共同で、新開発の大型コンテナ船向けに従来よりも厚い高強度鋼板を使用できる「脆性き裂伝播停止技術」(構造アレスト)を開発したと発表した。構造アレスト技術として、世界で初めて1万TEUを超える大型コンテナ船に適用する。

同社がこの技術を適用した大型コンテナ船の図面・施工法承認を日本海事協会から取得するとともに、JFEスチールが従来よりも厚い高強度鋼板の製造法承認を取得し、呉事業所で建造中の1万4000TEU級大型コンテナ船に適用する。

極厚の鋼板を使用する大型コンテナ船には、脆性き裂の発生防止に加え、脆性き裂が発生した場合にその伝播を停止させる二重の安全性能が求められるが、一般に鋼板の厚さや強度、設計応力が増すと、溶接が難しくなるだけでなく、脆性き裂を停止させる粘り強さが低下する傾向があった。

このため、同社は独自の脆性き裂伝播停止技術を用い、JFEスチールと共同で従来よりも板厚の厚い高強度鋼板でも脆性き裂の伝播を停止可能な構造アレストを開発、日本海事協会から図面・施工承認を取得した。

大型コンテナ船向けに開発した構造アレストは、溶接構造物である船体がもつ特長を活かした船体の安全性を向上させる技術で、特別に粘り強さをもたせた特殊な鋼板を用いることなく、高速で伝播する脆性き裂を停止させることが可能で、船体の大型化や貨物の積載量の増加、船体の軽量化による燃費改善が期待できるという。