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海事協会、超大型コンテナ船用鋼板の基準見出す

2016年7月27日 (水)

荷主日本海事協会は27日、超大型コンテナ船に用いられる板厚100ミリの極厚アレスト鋼板に最低限必要なアレスト靱性(脆性亀裂が伝播するのを食い止める特性を示すための基準数値)を世界ではじめて見出したと発表した。

日本溶接協会と行う共同研究の実証試験結果を基に、一般商船の最低設計温度とされている氷点下10度の環境下で必要最小アレスト靱性が「2分の3乗ミリメートルあたり8000ニュートン」であるとの知見を得た。

超大型コンテナ船に用いられる板厚80ミリ超の極厚アレスト鋼板の必要最小アレスト靱性は、具体的な規定がなく、現在は船級協会ごとの判断に委ねられている。

共同研究で最低限のアレスト靱性を見出した成果を受け、今後は大型化が進むコンテナ船の設計・建造への対応として、板厚80ミリ超、100ミリ以下の極厚アレスト鋼板については、氷点下10度の必要最小アレスト靱性(Kca値)を最も厳しい条件の場合、原則8000ニュートンとして運用する。

また、海事・造船業界で極厚鋼板を円滑に活用できるようにするため、国際船級協会連合(IACS)の統一規則に反映されるよう取り組む。