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国交省、貨物鉄道障害時の代替輸送で報告書

2015年7月23日 (木)

ロジスティクス国土交通省は23日、昨年10月に東海道線で発生した10日間にわたる輸送障害を受け、代替輸送の課題や対応の方向性をまとめた報告書を公表した。

国交省では、昨年10月の輸送障害を受け、モーダルシフト促進に向けた貨物鉄道の輸送障害対策の検討が急務だとしてことし2月に検討会を設置。学識経験者、荷主、鉄道利用運送事業者、JR貨物などで構成する検討会を4回開催し、6月に主な課題と対応の方向性をとりまとめ、報告書に反映させた。

これに合わせて同省では「(JR貨物が)鉄道へのモーダルシフトの唯一の受け皿としての役割を十分に果たすため、主な課題、対応の方向性の具体化を検討し、着手できることから、直ちに計画的・継続的な対応を行うこと」が重要だとして、JR貨物に対し、関係者の理解を得ながら協調して適切な連携の下に対策を進めていくことを求めた。

具体的には、代替輸送力を最大化するための迂回ルート、運行計画の検証・設定・切り替え手順のシミュレーション、多線区に対応できる機関車の増備、う回輸送発生時を念頭に置いた運転士の配置・運用改善、う回輸送列車の増発・リードタイム短縮・ルートの多重化、トラック、船舶を活用した代替輸送体制の拡充――など、JR貨物が取り組むべき課題と対策の方向性を示した。

鉄道利用運送事業者に対しては、「12フィートコンテナ3個積シャーシを導入する場合は、31フィートコンテナにも対応可能な仕様とすること」「代替輸送ルートを念頭に置いて、国の協力を得つつ、処理期間が大幅に短縮された大型車誘導区間関連の制度を最大限活用し事前に特殊車両通行許可などの必要な手続きを進めるほか、代替輸送体制の拡充のために代行トラック供出に最大限協力すること」が重要だと指摘した。

また、荷主には「JR貨物による代替輸送力のシミュレーション結果などを同社と共有しながら、運送事業者側でカバーが困難な代替輸送の領域を想定してあらかじめ体制整備などを図ることが望ましい」と、事前の取り組みの必要性に言及。

その際、関係者で作成する荷主向けの体制構築のためのチェックリストを広く共有することで体制構築を促進することを求めた。

■報告書の詳細
http://www.mlit.go.jp/common/001097975.pdf