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商船三井、「自社視点の安全だけでは不十分」

2016年1月4日 (月)

ロジスティクス商船三井の池田潤一郎社長による年頭所感の要旨は次の通り。

池田社長の年頭所感(要旨)

商船三井、事業環境は厳しいまま、「しなやかさ」で対応事業環境は依然厳しい。船腹の供給過剰感が解消しないなか、中国の景気減速もあり、コンテナ船とドライバルク船の市況は過去に例を見ない水準で低迷し、回復の見通しが立たない。原油価格の下落は燃料費の減少や油送船市況には追い風であるものの、資源開発の減速はLNG船や海洋事業の新規案件への影響が懸念される。足元の油送船の好市況がずっと続く保証もない。

昨年7月には北海道苫小牧沖でフェリー「さんふらわあだいせつ」の火災事故が発生した。顧客に多大な迷惑をかけただけでなく、乗組員1人の尊い命が失われたことは痛恨の極みだ。私は、当社の視点で「安全」を提供するだけでは不十分だ。「安全」な体制を構築した上で、顧客の視点で「安心」を提供できているか、あらゆる船種で再確認してほしい。

海運市況の低迷が続けば競争や顧客による選別はさらに激化する。競争力とは、営業力であり、コスト競争力であり、提案力でもある。競合他社と比べた当社グループの強みを伸ばし、顧客の期待に応えてほしい。

「OneMOL:ひとつのMOLで攻める」はこれからのキーワードだ。昨年11月に訪問したインドはまさにひとつのMOLで攻める地域。コンテナ船、ロジスティクス、自動車船、鉄鋼原料船、油送船、LNG船、IT、船員と裾野は広いが、皆MOLブランドで顧客に接すればよい。社長就任時に「MOLは縦割りの事業部門が集まったグループではない。MOLはグローバルなひとつのチームなのだ」と言ったが、再度強調したい。