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15年11月の内航輸送、鉄鋼の低調影響し10%減

2016年1月15日 (金)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)が15日にまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、2015年11月の貨物船輸送量は1688万6000トン(前年同月比10%減)と前年実績を下回った。油送船(タンカー)の輸送量は1082万7000トン(kl)で1%増えた。

貨物船に分類される貨物のうち、鉄鋼は減産や在庫の積み増しの影響で10%減少、原料はセメントの需要が低調で、セメント工場の休転の影響から主要貨物である石灰石の輸送量が落ち込んで15%下回った。燃料は石炭の輸送量減少に伴い19%減少した。

紙・パルプは工場の休転や販売の不振から低調な輸送が続き2%減となった。雑貨は甜菜、プレキャスト・コンクリート、医薬品、合板、冷凍魚などの輸送や沖縄航路の荷動きが堅調だったものの、フェリー事故の影響もあったが10月まで続いた北海道発の農作物のピークが終わったため2%減少した。

自動車は消費税増税後の販売不振から抜け出せず6%減少した。セメントは荷動きが低調であるほか、セメント工場の休転の影響で11%減った。

タ ンカーは黒油が1%増、白油とケミカルが前年並み、高圧液化が4%増、高温液体が27%増、耐腐食が8%増――となった。黒油は電力向け需要の減少や製油所の部分定修などの影響が見られたが、製油所間転送に支えられ増加した。

白油は半製品の輸送や灯油の備蓄輸送などがあった反面、暖冬で灯油の需要の減少し前年並み。内航総連では、「高圧液化、高温液体、耐腐食などの増加は、前年同期より市況が好転したため輸送量が増加した」と分析している。