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内航総連調べ

1月の内航輸送、荒天影響し貨物輸送量9%減少

2016年3月14日 (月)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、1月の貨物船輸送量は1635万8000トン(前年同月比9%減)と前年実績を下回った。油送船(タンカー)の輸送量も1153万5000トン(kl)で3%減少となった。

貨物船に分類される貨物のうち、鉄鋼は減産や在庫の積み増しの影響が続いており14%減少、原料はセメントの需要の落ち込みから石炭石の輸送が低調で8%減った。燃料は暖冬で電力向け石炭の輸送が減少したほか、愛知製鋼向けの電力炭の輸送が1月8日に起きた爆発事故によりストップしたため4%減少した。

紙・パルプは他社フェリー貨物が流れてきたことや原料古紙の回復、15年12月の貨物が越年の製品輸送となったことなどでプラスも見られたが、新聞用紙などに見られる紙製品の販売不振で1%減少した。雑貨はプレキャスト・コンクリート、タイヤ、石けん、合板の輸送が堅調。他社フェリー貨物の取り扱いもあったが、全体としての荷動きは低調で4%減った。

自動車は引き続き消費税増税後の販売不振があり4%減少。セメントは全国的な販売の低迷により荷動きが低調。加えて、降雪による建設現場への影響を受けて京浜地区在庫が高く大型船の待機時間が長くなり7%減った。

タンカーは黒油が4%減、白油が3%減、高圧液化が3%減、高温液体が23%減、ケミカルが1%増、耐腐食が8%増――となった。黒油は西日本地区のLNG火力発電所でトラブルが発生したため、需要の増加があったが、全体では暖冬の影響による電力需要の減少や他エネルギーへのシフトが見られたことにより4%減少となった。

白油は月前半が暖冬の影響で灯油需要の低調さが目立った。中旬以降は寒波の到来で一時的に需要が伸びたが、在庫高により伸び悩んだ。製油所間転送が輸送量を下支えしている。

内航総連では、貨物船は「月中旬以降、冬型の気圧配置が現れたため荒天の影響が2回ほどあり、輸送障害が見られた」とし、タンカーについても「貨物船と同様に荒天による輸送停滞は中旬以降に見られた」と分析している。