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15年12月の内航輸送、貨物船輸送量が1%減少

2016年2月16日 (火)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、2015年12月の貨物船輸送量は1820万3000トン(前年同月比1%減)と前年実績を下回った。油送船(タンカー)の輸送量は1196万3000トン(kl)で3%増えた。

貨物船に分類される貨物のうち、鉄鋼は減産や在庫の積み増しの影響で1%減少、原料はセメントの需要が低調で、設備トラブルや長距離航海による航海数の減少で輸送量が落ち込み2%下回った。燃料は暖冬により電力向け石炭の輸送が減少したほか、一部の火力発電所で冬季前点検が例年より長引いたこともあり3%減少した。

紙・パルプは14年が在庫調整による工場の休転があり、広告のチラシ、印刷用紙も出荷減となった反面、15年は休転がなく順調な輸送となったうえ他社フェリー貨物が流れてきたため17%増加した。雑貨はイベント部材、プレキャスト・コンクリート、医薬品、菓子用の馬鈴薯、合板、冷凍魚の輸送や沖縄航路の荷動きが堅調だったことに加え、他社フェリー貨物の取り扱いもあり5%増えた。

自動車は消費税増税後の販売不振から抜け出せず4%減少。セメントは荷動きが低調で2%減った。

タンカーは黒油が5%減、白油とケミカルが5%増、高圧液化が2%増、高温液体が21%増、耐腐食が15%増――となった。黒油は暖冬の影響による電力需要の減少が見られた一方で、製油所間転送の増加や部分定修の終了で減少した。

白油は暖冬で油槽所は在庫増だが、半製品の製油所間転送が旺盛で5%増加した。高圧液化、高温液体、耐腐食などは市況が好転したため輸送量が増加した。

内航総連では、「14年は頻繁に発生した低気圧による荒天の影響で顕著な輸送停滞が見られた一方、15年は冬型の気圧配置が現れにくく荒天の影響が限定的だったため、輸送停滞はほぼ見られなかった」と分析している。