帝人、熱可塑性CFRP製品のパイロットプラント新設

アパレル帝人は30日、熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維複合材料（CFRP）によるコンポジット製品の事業化を加速するため、世界初となる「炭素繊維からコンポジット製品の成形加工までを1分以内で連続一貫生産するパイロットプラント」を、松山事業所（愛媛県松山市）内に設置すると発表した。

これにより、熱可塑性CFRPによるコンポジット製品の試作から性能評価までをより早く実施することが可能となり、形状が複雑な成形品や大型コンポジット製品の試作も容易になるという。

同社は世界に先駆けて、既に熱可塑性CFRPによるコンポジット製品を1分以内で成形する量産技術を確立しており、コンポジット製品の量産成形技術だけでなく、独自のCFRP接合技術を用いることで、極限まで車体骨格を軽量化したオール熱可塑性CFRPのコンセプトカーを製作。これにより、技術の実用性を訴求することでマーケット開拓を推進してきた。

同社が開発した技術は、自動車業界が求める理想的な工程作業時間（タクトタイム）で、「炭素繊維からコンポジット製品の成形加工までを連続一貫生産できる」ことから、コンポジット製品の量産車への採用につながると見ている。

今回の設備投資額は20数億円で、速やかに着工し、2012年年央に稼働を開始する。