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5月の主要60社内航輸送、貨物船輸送量5%減少

2016年7月14日 (木)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、5月の貨物船輸送量は1615万1000トンで前年同月比5%減となった。油送船(タンカー)の輸送量も1011万5000トン(キロリットル)で2%減少した。

貨物船に分類される貨物のうち、鉄鋼は一部で増産の影響も見られたが低迷を脱せず4%減、原料は石炭積専用船の入渠、スラグなどの落ち込み、非金属鉱が外航船による送り込みで内航船の横持ち輸送減少の影響から7%減少した。

燃料は前年が石炭の輸送船の海難事故のため輸送量が減少した事業者があったが、前月に続いて今月は輸送面では回復が見られている反面、石炭火力発電所の定修で輸送の減少が見られ8%減となった。

紙・パルプは、4月に発生した熊本地震により新聞紙やパルプの緊急輸送が見られたが、国内販売の不振や入渠船の影響から2%下回った。

雑貨は復興用建材・部材(プレキャスト・コンクリート)のほか、砂糖、いも、飲料、ノックダウン車両の輸送や熊本地震に伴う米などの緊急輸送など増加要因も見られた反面、長期間入渠の船や他航路へ振り分けられた船舶もあり4%減少。

自動車は燃費不正問題などで販売不振が継続している。前年4月頃まで軽自動車の自動車税増税による駆け込み需要の影響が見られたが、その後は伸びなかった。ことし5月はその反動が見られている。また、前月が熊本地震発生による工場の操業停止により、製品出荷ができなかったことで輸送のずれ込みが一部で見られ2%下回った。

セメントは九州方面のセメント工場で前年よりも点検が長引くなど、輸送面でマイナスが見られた。一方で関東方面では外環道路、LNG貯蔵施設案件もあり増加した事業者が見られたものの5%減少した。

タンカーは黒油が12%減、白油が2%増、高圧液化が9%減、高温液体が8%減、ケミカルが5%増、耐腐食が9%増――となった。黒油はボンドバンカー向けや製油所転送輸送があったが、製油所の定修や石油火力発電所向けの電力需要の落ち込みが表れ前年を下回った。

白油は不需要期に入ったが、製油所定修に伴う転送と冬季に備えて灯油の在庫積み増し輸送が見られた。ケミカルはキシレンやアクリル酸などの輸送が堅調だった。