調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、2月の貨物船輸送量は1741万トンで前年同月比7%減となった。油送船(タンカー)の輸送量も1124万4000トン(kl)で2%減少。
貨物船に分類される貨物のうち、鉄鋼は減産や在庫の積み増しの影響が改善せず8%減少、原料はスラグの落ち込みが大きく、鉄の減産の影響が表れ7%減少。燃料は前年に比べ気象条件が良く輸送障害が少なかったことや、火力発電所の陸側設備の清掃が前年よりも、短期間で終了したこともあり6%増加した。
紙・パルプは製紙工場休転の前倒し輸送が見られた反面、在庫高が解消されず輸送量は低迷し9%マイナス。雑貨はプレキャスト・コンクリート、バルコニー、階段のほか医薬品、冷凍魚の輸送が堅調だったが1%減少。
自動車は愛知製鋼の爆発事故によるトヨタ工場の操業停止の影響や、消費税増税後の販売不振の低迷があり12%減。セメントは販売不振で荷動きが低調で、船の待機時間も長くなっており6%下回った。
タンカーは黒油が2%減、白油が3%減、高圧液化が5%増、高温液体が前年並み、ケミカルが7%減、耐腐食が13%増――となった。黒油は西日本地区のLNG火力発電所でトラブル発生で、需要の増加があったが、全体では暖冬の影響による電力需要の減少や他エネルギーへのシフトが見られたことで2%減少となった。
白油は寒波の影響で初旬は灯油の荷動きが活況だったが、中旬以降の気温上昇や玉不足で船舶の稼働率低下で3%減少。ケミカルは北日本地区を中心とする荒天の影響で輸送障害が見られたほか、ベンゼンは玉不足で転送需要が低調。アクリル酸、トルエンの輸送量の増加が見られたが7%マイナスだった。