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日通総研調べ、消費財の荷動き回復鈍く、4-6月期の物流短観公表

2010年8月5日 (木)

アパレル日通総合研究所が3日発表した6月調査分の企業物流短期動向調査(物流短観)によると、国内向け出荷量4-6月実績(見込み)の業種別荷動き指数は、全15業種中5業種がマイナスで、残り10業種がプラスとなった。7-9月見通しでは、金属製品がマイナスに落ち込む以外、大きな動きはみられない。総じて生産財には荷動きの回復がみられるのに対して、消費財については回復の動きが鈍い。

 

4-6月実績(見込み)の輸送機関別利用動向指数は、一般トラック、特別積合せトラックではプラスを示したが、残りの輸送機関ではマイナスとなった。宅配便、鉄道コンテナでは水面直下にとどまり、内航コンテナ、国内航空に比べて下押し圧力は弱い。7-9月見通しでは、各輸送機関とも利用動向指数は小幅の変化で推移すると見られる。この結果、一般トラック、特別積合せトラックでは荷動きの回復が続き、宅配便、鉄道コンテナでも下げ止まりが期待できるが、内航コンテナ、国内航空では減退が続く見通し。

 

輸出入貨物量の動向は、4-6月実績(見込み)の荷動き指数で、外貿コンテナ、国際航空とも前期(1-3月)実績より上昇し、輸出入貨物の荷動き指数はすべてプラスとなった。7-9月見通しについては、外貿コンテナの輸入では横ばいを維持するが、外貿コンテナの輸出と国際航空の輸出・輸入では数ポイントの低下が見込まれる。この結果、輸出入貨物は引き続き荷動き回復の方向にあるものの、やや力強さに欠ける展開となる。

 

4-6月実績(見込み)の在庫量と営業倉庫保管量の動向をみると、すべての動向指数が2ケタのマイナスを示したが、前期(1-3月)実績からはいずれも改善がみられた。7-9月見通しでは、いずれの動向指数も僅かながら改善が見込まれる。このため、下押し圧力には緩和の兆しが窺えるものの、依然として在庫圧縮と営業倉庫保管量の削減が続く見通し。

 

運賃・料金の動向は、4-6月実績(見込み)の動向指数が内航コンテナではプラス、国内航空ではゼロ水準を示すが、その他の機関ではマイナスとなった。前期(1-3月)実績との比較では、各機関とも動向指数が上昇方向に動いた。7-9月見通しについては、総じてみると、各機関とも動向指数は横ばいないしは小幅の上昇で推移しよう。この結果、運賃・料金の動向は、概ね現状維持の傾向が強いが、内航コンテナではやや上昇、倉庫保管料ではやや下降が見込まれる。

 

物流コスト割合の4-6月実績(見込み)の動向指数は、パルプ・紙など6業種がプラス、その他の製造業がゼロ水準で、金属製品など8業種がマイナスを示した。業種全体の動向指数はマイナス2で、前期(1-3月)実績からは小幅の上昇となった。7-9月見通しの動向指数は、繊維・衣服とその他の製造業がプラスに上昇することなどにより、3ポイント上昇してプラス1と水面上に浮上しよう。この結果、物流コスト割合は概ね現状維持で推移する見通し。

 

国内向け出荷量荷動き指数は、4-6月実績(見込み)では前期(1-3月)実績より8ポイント上昇して+14となり、7-9月見通しでも+13と2ケタのプラスを維持するが増勢は鈍化しよう。2010年に入ってから荷動きの回復が続いているが、前年までの大幅減に対する反動増の要素も大きく、先行きには不透明感が残っている。

 

7-9月見通しの輸送機関別利用動向指数は、一般トラック、特別積合せトラックではプラス、宅配便、鉄道コンテナではゼロ水準、内航コンテナ、国内航空では2ケタのマイナスを示す。このように、輸送機関によって利用動向には跛行性がみられる。

 

7-9月見通しの輸出入貨物量荷動き指数は、外貿コンテナ、国際航空の輸出・輸入ともプラスを示すが、前期(4-6月)実績(見込み)からは横ばいまたは下降方向に動くとみられる。この結果、荷動きは回復が続くもののやや力強さに欠ける展開となろう。