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アキュラホーム、注文木造住宅のJIT配送でGD賞

2016年9月29日 (木)
アキュラホーム、注文木造住宅のJIT配送でGD賞
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荷主ジャストインタイム(JIT)配送を取り入れる物流現場は一般的になってきたが、それが木造注文住宅の建築現場なら――。

作業の多い建築現場では、資材の荷解きや片付けなどの「簡単な仕事」に時間を多く要し、結果として大工の手間賃が増え、建築費全体に影響してしまう。従来からJIT配送のニーズは高かったものの、納品先(建築現場)がその都度変わるという特性が導入の難易度を高めていた。

木造注文住宅を手がけるアキュラホーム(東京都新宿区)もこうした課題を認識し、10年以上かけて「在来木造ジャストイン配送システム」を開発。

そのビジネスモデルが高く評価され、物流子会社のハウスロジテム(同)とともに29日、ビジネスモデルカテゴリーのグッドデザイン賞を受賞した。「中大規模木造建築普及プロトタイプ」と併せてダブル受賞となった。

アキュラホーム、注文木造住宅のJIT配送でGD賞

在来木造ジャストイン配送システムは「必要なときに、必要なものを、必要な状態で届け、不要になったものは即座に回収する」ことを実現するシステムで、大工の作業効率を大幅に向上させるとともに、ミスやロスをなくして品質も高める仕組みだ。

同社は建築資材の配送システム改革に継続して取り組み、配送センターの設置、効率化を図りながら建築現場の末端まで徹底的なシステム化を推進。全国展開を図るため、物流子会社としてハウスロジコムを今春設立し、アキュラホームが主宰する全国工務店ネットワーク「ジャーブネット」への展開も視野に入れているという。

具体的には、建築現場に資材を届ける前に配送センターで大量の梱包を開封し、カット、組み立てまで行って計画的に配送。資材の紛失や損失などのトラブルを軽減するとともに、作業効率を高めて大幅な工期短縮やコストダウンにつなげる。

グッドデザイン賞の審査員は「徹底したムダの削減に取り組み、大工の作業時間短縮やコストダウンを実現するなど、実績が具体的である点も評価した。こうした取り組みが業界全体に普及することで、費用削減だけでなく環境への配慮や建築現場における効率的な業務遂行が期待される」と、同システムの普及拡大に期待を寄せ、高く評価した。