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ドライバー不足が物流コスト比率押し上げ、JILS調べ

2016年12月20日 (火)
物流コスト比率推移-2
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財務・人事日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が19日に発表した2016年度の物流コスト調査結果(速報値)によると、全業種を対象とした売上高物流コスト比率(売上高に物流コストが占める割合)は4.97%で前年度から0.34ポイント上昇した。過去20年間で最大の上昇幅となった。

この結果、JILSでは「回答企業の主な会計期間である2016年3月期の人手不足を受けた輸送費などの上昇が反映された」と、トラックドライバーの人手不足が企業の物流コストを押し上げたとの見方を示している。

業種別の物流コスト比率を見ると、製造業は紙・パルプ(9.23%)が最も高く、卸売業では食品飲料系(8.49%)、小売業では通販(11.94%)が最高値を示した。

有効回答221社のうち、同一サンプルによる前期比較が可能な「2年連続回答企業」(180社)に限ると、売上高総額は前年度比2%減の79兆7917億円、物流コスト総額は同2%増の2兆7192億円で、売上高物流コスト比率は同0.16ポイント上昇の4.82%となる。業種大分類別では小売業の上昇(0.33ポイント)が最も大きくなった。

今年度の調査では「物流業界の人手不足に関連した値上げ要請」の設問を追加しており、有効回答221社のうち15年度に「何らかの値上げ要請を受けた企業」は6割に上った。このうちおよそ半数が「輸送費を中心とした値上げ要請に応じた」と回答した。

■詳細
http://www.logistics.or.jp/jils_news/速報版:2016年度物流コスト調査報告書.pdf