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川崎汽船、CO2削減へ新過給機の実船運用試験

2012年3月8日 (木)

ロジスティクス川崎汽船は8日、8万5400トン型石炭専用運搬船(8日就航)を用い、「川崎-MAN-B&W5S60MC-C7型」主機関に二酸化炭素(CO2)削減効果のある「可変タービンノズル型過給機」を搭載した長期実船運用試験を、川崎重工業と共同で開始すると発表した。

 

可変タービンノズル型過給機は主機関の燃焼効率を高めることでCO2の排出量を削減する新技術。国際航海に従事する船舶は、国際海事機関(IMO)で2013年から段階的にCO2排出量を低減することが求められているため、新技術や新運航方法が活発に開発されている。

 

これまでの固定タービンノズル型過給機は、高負荷で高効率燃焼を実現するよう過給機内のタービンの静翼が固定されているため、低い船速(低負荷)では過給機から主機関に送られる空気の圧力が相対的に低く、その結果、主機関の燃焼効率が低下する傾向にある。

 

可変タービンノズル型過給機は、過給機内のタービン静翼の角度を自由に変えることで幅広い負荷域で最適な空気圧力を主機関に供給できるため、高効率な燃焼を実現することが可能となる。

 

主機関の陸上試験運転では、可変タービンノズル型過給機の採用で常用負荷を含む部分負荷全域で1-2%以上のCO2排出量、燃料消費量の低減を確認したという。今後は長期の実運航で性能評価、耐久性の確認を行う。