ロジスティクスパナソニックは9日、商船三井、三菱重工業と共同で2010年1月から研究開発を進めてきた自然エネルギーを利用したハイブリッド自動車船「エメラルドエース」の進水式が、三菱重工神戸造船所で行われたと発表した。6月に商船三井に引き渡され、全世界の航路に投入される。
研究開発は、国土交通省の「船舶からのCO2削減技術開発支援事業」の補助対象事業として採択されているほか、日本海事協会の「国際海運での温室効果ガス削減技術に関する研究開発」の共同研究テーマとしての支援も受けている。
パナソニックグループエナジー社は、「HIT太陽電池」(160kW)とリチウムイオン電池(約2.2MWh)を組み合わせたシステムを納入する。ディーゼル発電機とのハイブリッドで電力供給を行い、船舶全体から排出されるCO2を削減する技術の確立を目指している。
HIT太陽電池で発電してリチウムイオン電池に蓄えた電力は、主に停泊中に使用される。停泊中にディーゼル発電機を停止することで、港内での環境負荷(CO2排出量)削減につなげる。
重量物であるリチウムイオン電池は船底に搭載し、固定バラストとすることで載貨台数に影響を与えることがない設計とした。