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矢野経済調べ

物流「17業種」市場規模2年で1兆円超縮小

2017年4月19日 (水)

話題矢野経済研究所は19日、同社が定義する「物流17業種」の2016年度市場規模が14年度から1兆30億円縮小したとの調査結果を発表した。縮小の背景として、国内物流市場が「比較的堅調」に推移する一方、海外需要は数年間にわたって低迷を続けているのが大きいとみている。

この調査は、同社が物流を海運、システム物流、国内宅配便、特別積合せ運送など17の業種に分け、同社の専門研究員によるヒアリングや電話アンケートなどを通じて調査した結果を集計・分析したもので、海外需要の減退が対象企業の売り上げに影響していることを示す。

物流業界は、海外の減収要因だけでなく、国内でも人手不足の長期化・深刻化が影を落とし、高齢化・少子化によって将来的にも改善の見通しが立っていない。こうした業界環境にあって、同社は「荷主や社会が物流に求める専門性はさらに高度化しつつあり、同時に複合的な物流サービスの展開が必要になっている」と指摘。

これらの制約要件が「物流事業の業種を超え、専門性を追求した企業合併や買収、業務提携や、効率的な物流を担うための情報の一元化など通じた物流サービスのプラットフォーム化といった改革」につながっているとの見方を紹介している。

また人手不足の社会問題化がIoTや人工知能(AI)などを活用した省力化・自動化を取り込んだ物流へと「変革する兆し」が見えつつあるとして、17年度は市場規模が20兆円台を回復し、18年度も10年以降来最大となる20兆8475億円へと拡大するとの予測を示した。

■物流17業種
海運事業、システム物流事業、宅配便事業(国内)、特別積合せ運送事業、普通倉庫事業、フォワーディング事業、一般港湾運送事業、冷蔵倉庫事業、引越事業、航空貨物輸送事業、鉄道利用運送事業、軽貨物輸送事業、国際宅配便事業、鉄道貨物輸送事業、トランクルーム、周辺事業、バイク便輸送事業、納品代行事業

■関連情報(矢野経済研究所)
http://www.yano.co.jp/market_reports/C58123500