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GLプロパティーズ、 独自の免震工法開発しコストダウン

2012年4月3日 (火)

話題GLプロパティーズ(東京都港区)は2日、免震物流施設の建設で大幅なコストダウンを実現する独自の免震構造システム「GLPパイルキャップ免震工法」を開発し、特許を取得したと発表した。

 

開発中の「GLP三郷3」プロジェクト(埼玉県三郷市、2013年5月末竣工)に採用する、としている。

 

今回開発したGLPパイルキャップ免震工法は、免震装置と独自の杭頭半剛接合工法を採用した扁平基礎梁を組合せることで、在来免震工法よりも安く、高い免震効果を得ることを可能にする。

 

新工法は、スーパーコンピューターの能力向上で可能となった、最新のFEM解析手法(3次元弾塑性有限要素法による数値実験)を活用したもので、杭と基礎とをつなぐ鉄筋の本数、径、配置位置を制御することにより、杭と基礎の固定度合いを調整し、発生する曲げモーメントをコントロールする手法を採用した。

 

その結果、杭頭の半剛接合部が、大きな地震時に軟弱地盤で発生する地盤の挙動による圧力を効率良く吸収し、大きな地震力が建物の基礎に伝わることが防げるため、通常の免震工法の基礎に比べ、簡略化した基礎でも大きな地震に耐えることができる。

 

また、軟弱地盤で必要なサンドコンパクションなどの地盤改良工事も不要になる。これらの効果により、通常の免震工法と比べ基礎工事費の約30%、全体工事費では約5%を削減できるようになる。

 

GLプロパティーズは今後、この工法を新プロジェクトへ積極的に採用していく方針で、採用施設では実際の地震に対する効果を確認するために地震計を取り付け、免震性能の実証データを蓄積、今後の物流施設の免震・制震技術の開発に役立てる。