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消防庁、大規模火災倉庫の「教訓」小冊子作成

2017年12月8日 (金)

環境・CSR消防庁は、2月16日に発生したアスクルの物流センター「アスクルロジパーク首都圏」(埼玉県三芳町)の倉庫火災で、発生から鎮火に至るまで12日間という長時間を要したことを踏まえ、「大規模倉庫における火災の教訓」と題した消防訓練に関するリーフレットを作成した。

アスクルの倉庫火災では、火災発見者が自ら初期消火を試みたものの、自動火災報知設備が鳴ってから7分が経過するまで119番通報が行われず、消防訓練で消火器を用いた消火訓練・避難訓練は定期的に行われていたが、通報訓練は行われていなかった。

また、消火器だけでは初期消火できず、屋外の消火栓設備による消火を試みたものの、ポンプの起動操作が行われていなかったために初期消火に必要な放水量が得られなかった。事前の消火訓練で消火器を使用した訓練は行われていたが、屋内消火栓設備や屋外消火栓設備を使用した訓練は行われていなかった。

大規模倉庫の中はコンベヤなどのために避難ルートが長く複雑になっている場合があり、建築時はこれらが置かれていない状態を前提として設計され、避難安全検証法によるシミュレーションを行った結果に応じて、避難経路となる階段の数を減らしているケースがある。さらに、火災時は濃煙が立ちこめ、停電で暗い状態となり、防火シャッターが閉鎖している中「くぐり戸」を介して避難することは「極めて困難」になる。

リーフレットではこれらを踏まえた「3つの教訓」として、火災発見時の適切な通報・消火・避難の3つの訓練を実施することが重要だとし、それぞれの訓練が効果的となる例を掲載している。

消防庁では今後、避難訓練の「火災時に危険な状態となるまでの時間」の算出シートを公開する方針で、2018年2月頃からウェブサイトでダウンロードできるようにする。

■消防庁ホームページURL
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList4_8.html