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商船三井、北極海航路開発でロシアと協業

2018年2月27日 (火)

国際商船三井は27日、モスクワで26日にロシア極東投資輸出庁と北極海航路や極東ロシアの発展に向けた協業を進めることで合意し、覚書を取り交わしたと発表した。

商船三井は、北極海航路を通じた世界初の大規模エネルギー資源輸送プロジェクト「ヤマルLNGプロジェクト」に参画し、同PJ向け砕氷LNG船の第一船の運航を北極海での砕氷航行試験を経て3月末から始める。

また、ヤマルLNGプロジェクトの主要株主となっているロシア民間最大のガス生産販売会社「ノバテク」と、カムチャッカ半島沖合で新設するLNG積替え基地の事業化調査も進めている。

北極圏には天然ガス、石油、石炭などの豊富なエネルギー資源が存在するものの、これまで輸送手段がなく資源の活用に制限があった。

しかし、砕氷型の輸送船の開発・竣工で北極圏からの海上輸送によるエネルギー輸出が商業的に可能となり、北極圏ではヤマルLNGプロジェクトに次ぐ新規プロジェクトの開発も進められている。

また、欧州・アジア間貿易でも北極海航路はスエズ運河を経由する航路よりも航海距離が短いことから、輸送時間・コストの低減、CO2排出削減を見込めるため、エネルギー資源に限らない貨物輸送量全体の伸びも期待されている。

ロシア極東投資輸出庁は北極海航路の開発を含むプロジェクトの推進を支援しており、同庁のレオニド・ペトゥコフ長官は「商船三井が北極海航路を通じて日本やアジア諸国への貨物輸送を推進していくことを期待し、両者は北極海航路のインフラストラクチャーに関する投資誘致を共同で行っていく。ロシア極東投資輸出庁は商船三井が取り組むプロジェクトを支援していく」と述べた。