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NTTデータ、RFIDタグで医療材料の在庫管理効率化

2018年3月8日 (木)

ロジスティクスNTTデータと医療機器メーカーのボストン・サイエンティフィックジャパン(東京都中野区)は7日、RFIDタグを用いた医療材料トレーサビリティーの実証実験を同日から開始すると発表した。

実証実験では、ボストン・サイエンティフィックが商品にRFIDを貼付し、個別識別IDを記録することで、医療材料を取り扱う製造販売業者や代理店・特約店が一元的に預託販売商品と通常販売商品の情報を管理可能なサービスを提供する。これにより、医療材料預託と通常販売でのRFIDタグの有用性と、製造販売業者、代理店・特約店の業務効率化の可能性について、検証を行う。

(以下画像の出所:NTTデータ)

また、NTTデータのデジタル技術を活用し、モバイル端末などによる在庫の確認や受発注予測機能を開発し、リアルタイムな在庫状況の「見える化」、医療機器製造販売業者の生産管理の情報活用と、サービス化に向けたプラットフォーム機能拡張への可能性を検証する。

4月までにソリューションの有用性を評価し、18年度内をメドに医療材料領域の製造販売業者、販売代理店・特約店が共同で利用可能なプラットフォームサービスの提供を開始する。将来的には医療材料の使用実績と患者情報を紐付けて、医療機関のデータ分析にも利用できるサービス展開を目指す。

現在、日本では、カテーテルなど高額でさまざまな規格が存在する医療材料は、製造販売業者が代理店・特約店経由で、医療機関に商品を一時的に預け、手術などでの商品利用により医療機関が買取る預託販売形態と、代理店・特約店に直接販売し必要に応じて医療機関に販売する方式が主流となっている。

これにより、医療材料を販売している代理店・特約店は、医療機関が手術に利用する商品の在庫不足防止と、医師や看護師に対し商品の使用を確認するために、医療機関を頻繁に訪問する必要があり、補充作業や受発注業務などに多くの時間を要している。

また、医療費削減に向けて医療材料の償還価格が下がる中、製造販売業者も預託商品の棚卸しや機会損失、余剰在庫の増加、滅菌切れによる廃棄などを防ぐための受発注業務に時間がかかっており、従来のやり方の見直しや業務効率化が、直近の課題となっているという。

こうした課題を解決するため、今回ボストン・サイエンティフィックとNTTデータはこれらの業務効率化に向けたプロトタイプとなるシステムが完成したことから、RFIDタグを用いた医療材料トレーサビリティーの実証実験を開始することにした。