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NTTロジスコ、RFID用いた医療材料追跡で実験

2018年11月19日 (月)

ロジスティクスNTTロジスコとNTTデータは、医療機器・医療用具の輸出入販売を手がけるスミス・アンド・ネフュー(東京都港区)の協力のもと、整形外科インプラントなどの在庫管理が煩雑な短期貸出領域で、RFIDタグを用いた医療材料トレーサビリティーの実証実験を11月から開始したと発表した。

実証実験では、医療機器製造販売業者であるスミス・アンド・ネフューの整形外科インプラント製品に3PL事業者であるNTTロジスコが物流センター内でRFIDタグを貼付し、個体識別IDを記録することで、医療材料を取り扱う製造販売業者および代理店・特約店が医療材料の情報を一元的に管理可能なサービスを提供する。

(以下画像の出所:NTTロジスコ)

これにより、RFIDタグの有用性と、製造販売業者、代理店・特約店、3PL事業者の業務効率化の可能性について、3社の販売代理店・特約店・6つの医療機関の協力のもと検証を行う。さらに、このプラットフォームとNTTロジスコが提供する共同配送便サービス「メディカルライナー」との連動により、さらなる代理店・特約店の効率化の効果を検証する。

また、NTTデータのデジタル技術を活用し、モバイル端末などによる医療機関での使用実績入力、在庫確認や受発注予測機能を開発し、リアルタイムな在庫状況の見える化、医療機器製造販売業者の生産管理への情報活用と、サービス化に向けたプラットフォーム機能拡張の可能性についても検証する。

今後は、順次実証フィールドを拡大しつつ、2018年度末をめどに同ソリューションの有用性を評価し、整形外科、循環器、消化器領域の製造販売業者、代理店・特約店が共同で利用可能なプラットフォームサービス提供を予定している。これにより、サプライチェーンの上流から下流までの情報が一元管理可能となり、医療材料のトレーサビリティーが実現されることを目指している。

現在、日本国内でインプラントなどさまざまな規格が存在する医療材料は、代理店・特約店に直接販売し必要に応じて医療機関に販売する形態と、製造販売業者が代理店・特約店経由で医療機関に医療材料を一時的に預け、手術等での医療材料利用時に医療機関が買い取る預託販売形態が主流であり、預託販売形態は、「長期貸出」と「短期貸出」に分かれる。

長期貸出が医療機関の施設内に預託在庫として預け置くのに対し、短期貸出は、手術、手技ごとにサイズや種類が異なる医療材料を販売代理店・特約店がその都度手配・納品し、使用した医療材料のみ医療機関に請求し、残りの医療材料を引き上げ、回収までを行うもの。短期貸出のサプライチェーンでは、「廃棄ロス、過剰在庫の削減」「預託在庫数、使用数のリアルタイムな把握」「検品作業の負担削減」などの課題を抱えており、これらの解決に向けて今回NTTロジスコとNTTデータはRFIDタグを用いた医療材料トレーサビリティーの実証実験を行うこととした。