日立電線、自動車部品のグローバル供給体制を強化

荷主日立電線は7日、自動車部品事業のグローバル供給体制を強化するため、ABSセンサの新たな生産拠点として、メキシコの製造子会社「HCケレタロ社」（HCQ社）に製造設備を導入し、茨城県日立市の同社電線工場からタイの製造子会社AHCL（タイランド）社にブレーキホース管体の製造設備を一部移管、AHCLのブレーキホース管体の製造能力を増強すると発表した。設備投資額は合わせて5億円。

海外で強まる自動車部品の需要に対応するため、自動車部品事業のグローバル供給体制を強化するもの。ABSセンサは、メイン工場のAHCL（タイランド）社のほか、北米市場、中南米市場の供給拠点として新たにメキシコのHCQに製造設備を導入し、2013年9月から量産を開始する。

これにより、2014年度にはABSセンサの製造能力をグループ全体で1.4倍（2011年度比）まで高める。ABSセンサが搭載されるABS装置は、自動車の安全走行をサポートする基幹部品として、先進国市場ではほぼ標準搭載となっている。新興国でも搭載比率が高まっており、さらなる需要拡大が期待されるとしている。

ブレーキホースは、これまでも電線工場、AHCL（タイランド）社でブレーキホース管体を製造し、部材として欧米、中国の拠点に供給、各拠点でブレーキホースに加工していた。

今回、旺盛なグローバル需要へ対応できる最適な供給体制を整えるため、電線工場の製造設備をAHCL（タイランド）社に一部移管する。移設が完了する2013年度には、AHCL（タイランド）社のブレーキホース管体の製造能力を約2倍に高めていく。