認証・表彰日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は4日、2026年度「ロジスティクス大賞」の受賞5事例を発表した。工場内物流の統合制御や倉庫作業の生産性向上、荷役負担の軽減、デジタルツインの活用、軽貨物業界の安全管理基盤など、物流現場の自動化・標準化に関する取り組みが選ばれた。
技術革新特別賞は、Mujin Japan(東京都江東区)と三五(愛知県みよし市)による「事業構造変革を支える工場内物流改革」が受賞した。フィジカルAIとデジタルツイン技術を基盤に、通い箱を扱うデパレタイズロボット、AGV(無人搬送車)、搬送・保管設備などをWCS(倉庫制御システム)で統合制御し、搬送から保管、集荷、ピッキングまでの工程を自動化した。
自動車産業では、電動化や多品種変量生産への移行に伴い、生産と物流を一体で最適化する必要性が高まっている。今回の取り組みでは、従来自動化が難しかった工場内物流を個別設備単位ではなく、工場全体で連携させた。生産状況の変化に応じて搬送や保管の動きを調整し、作業負荷の軽減や物流コスト、環境負荷の削減につなげたとしている。
Mujinによると、人員を高付加価値のものづくり業務へ振り向けることも狙いの1つ。従来の部分最適型の自動化から、全体最適を前提とした工場物流へ転換した点が、技術的な独創性や製造業への展開可能性の面で評価された。
現場革新特別賞にはGROUNDが選ばれた。自律型協働ロボット「AMR」とデジタルピッキングシステム「DPS」をリアルタイムで連携させ、増員せずに出荷生産性を2倍に高めた。ピッキングと搬送の役割を見直し、品質の維持や属人化の抑制、物量増加への拡張性を確保したとしている。
業界革新奨励賞は北海道ロジサービス(北海道江別市)が受賞した。コープさっぽろの基幹物流拠点で「エルゴローディングシステム」を導入し、130店舗への供給を続けながら40本のソーターを更新した。人間工学を取り入れ、荷役作業の身体的負担軽減と効率化を進めた。
現場革新奨励賞は安田倉庫とイデアロジー(東京都新宿区)による、メディカル物流でのデジタルツインと最適化シミュレーションの活用事例が選ばれた。現場データから業務プロセスを分析し、人時生産性の向上やドライバー待機時間の削減を図った。大規模な自動化設備に依存しない改善手法として評価された。
社会性奨励賞は全国軽貨物協会が受賞した。共通デジタルプラットフォーム「K-LINK」を構築し、個人事業主が多い軽貨物運送業界で、安全管理や運行実態、適正取引の可視化・標準化を進めた。
表彰式と受賞記念講演会は10月19日、東京都墨田区で開く「ロジスティクス全国大会2026」で実施する。受賞事例の詳細は、JILSの機関誌「ロジスティクスシステム」秋号に掲載する予定。
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