M&Aヤマトホールディングス(HD)は4日、傘下のCVCファンド「KURONEKO Innovation Fund 2号」を通じ、量子技術と数理最適化を手がけるJIJ(東京都港区)に出資したと発表した。出資額は明らかにしていない。JIJが同日公表した第三者割当増資では、グローバル・ブレインをリードインベスターとして、ヤマトHDやANAホールディングス、三菱電機、KDDI、富士通系のファンドなどから総額8億4000万円を調達した。
JIJは、複数の制約条件の中からコストや効率などの最適解を算出する数理最適化技術を開発するスタートアップ。製造、物流、交通、通信、エネルギーなどを対象に、業務課題の整理から数式化、プログラム実装までを支援する。ソフトウエアサービス群「JijZept」では、AI(人工知能)を使ったモデリング支援や計算プログラムの開発、実行環境などを提供している。
ヤマトHDは、車両や人員、拠点などの経営資源の配置をはじめ、現場オペレーションからサプライチェーン全体までを対象に、JIJの技術を活用できる可能性を検討する。配送ルートや輸送計画、荷物・車両の割り当てといった物流業務は、対象件数や制約条件が増えるほど計算が複雑になる。数理最適化はこうした計画業務との親和性が高い一方、ヤマトHDは具体的な実証内容や導入時期を明らかにしておらず、現段階では活用可能性の検討にとどまる。
JIJは調達資金を、数理最適化事業の拡大やAIエージェントサービス「JijZept AI」の高度化、ゲート型量子コンピューター向けミドルウエアの研究開発に充てる。2025年に英国法人、26年にドイツ法人を設立しており、欧州や米国での事業展開も強化する。
量子技術は将来、大規模な組み合わせ最適化問題への活用が期待されているが、現状では従来型コンピューターとの併用や、業務課題を計算可能な形に落とし込むソフトウエア基盤が欠かせない。今回の出資は、量子計算そのものの導入というより、既存の数理最適化を物流現場へ応用しながら、将来の量子・古典ハイブリッド計算に備える取り組みと位置付けられる。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。


























