ロジスティクスモビリティー向け製品・システム開発のWill Smart(ウィルスマート、東京都江東区)は4日、同社が開発・販売を行うデジタコ「Will Fleet」(ウィルフリート)についての記者発表を行った。発表会には同社代表取締役社長の石井康弘氏が登壇し、新たな物流DXプラットフォーム「Will Fleet」の全体戦略と、同社のOBD2型デジタルタコグラフ(デジタコ)ユーザーを対象とした新機能の無償提供と価格改定について説明した。
今回の発表における最大の目玉は、運行管理業務に不可欠な各種機能の標準装備化だ。Will Smartは、2026年内の提供開始を目指し、同社のOBD2型デジタコを利用する事業者を対象として、各種機能をデジタコの月額利用料内(追加費用なし)で提供する。

▲Will Smart社長の石井康弘氏
使える機能としてはまず、日報の自動作成が可能となっている。 ドライバーがスマートフォンアプリで勤務・役務情報を入力することで、車両データと自動連携して日報を生成。転記作業や紙管理の手間を大幅に削減する。
また、法令対応データの自動保存も可能で、法令で1年間の保存が義務付けられている運行記録(速度・距離・時刻等)をクラウド上で自動保管し、PDF出力にも対応する。
さらに、走行履歴データ・安全運転の可視化機能も提供され、GPS位置情報、速度、急加速・急発進などの安全管理データに加え、CO2排出量や燃料消費量をダッシュボード上にリアルタイムで可視化する。

▲記者懇親会でWill Fleetの特徴などについて説明する石井氏
競合他社が車両1台当たり月額数百円から数千円の有償オプションとして提供している同等の機能を実質無料化するとともに、一般的に1台当たり価格が30万円のデジタコを15万円で販売することで、コスト負担がネックとなってデジタコ導入やデータ活用に踏み出せていなかった中小物流事業者のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を強力に後押しする。
また、同社が提供するOBD2型デジタコは、車両のOBD2端子に差し込むだけで設置が完了することも大きな特徴。従来のスピードパルス方式デジタコが専門業者による2時間の取付工事を必要としていたのに対し、本製品は30分で自社整備スタッフでも簡単に装着できる点が大きな強みである。車両の乗り換え時にも付け替え作業が容易であり、導入時・運用時のハードルが低いこともあり、メーカー系物流事業者での導入が始まっているという。

▲Will Fleetデモ画面。車両の速度や位置をリアルタイムで把握できるほか、後で時系列に沿ったデータとしての出力も可能
また、車両のECUから直接データを取得するため、従来の簡易デジタコでは難しかった精緻な燃料消費量やCO2排出量、総走行距離データの計測が可能。ハードウエア自体も国内で自社開発・生産されており、警察と国土交通省が定める厳しい型式認定基準(堅牢性・耐久性)をクリアしている。海外製OEM製品が多い市場において、信頼性の高さも差別化要因となっている。
あわせて同社は、通信型デジタコ本体や通信費などの価格体系を見直し、業界最安値水準での提供を開始することも発表した。代理店(都築電機等)を通じて見積もり対応を行い、一気に普及を図る構えだ。(土屋悟)
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