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東名夫婦死亡事故から1年

トラック「煽られ」経験7割、ドライバー求人のブルル調べ

2018年6月4日 (月)

▲アンケート結果(出所:ブルル)

話題トラックドライバー求人情報サイト「ブルル」を運営する物流企画サポート(東京都千代田区)は、東名高速道路で「煽り運転」が原因となる夫婦の死亡事故から1年の節目となる4日、トラックドライバー325人に「煽り運転」の“被害”経験について聞いた結果を発表。231人(71.1%)が「ある」、86人(26.5%)が「ない」、8人(2.5%)が「答えたくない」と回答した。

煽られた際の対処については「道を譲った」「追い越させた」「無視した」などが大半だったものの、なかには「頭にきたから急ブレーキを踏んでやった」「クラクションを鳴らしっぱなしで追いかけた」など、「事故につながりかねない危険な反撃」を加えたトラックドライバーもいたという。

また、同社は「法定速度(大型80キロ/h)や運送会社が独自に規定している『社速』をきちんと守る」ことが、結果として後続車両を「イライラさせている」ケースもあるという意見や、時速90キロ以上の速度を出せない速度抑制装置(スピードリミッター)が大型貨物自動車に取り付けられていることなど、トラックの特性と業界の安全への取り組みを広くアピールすべき、といった意見を紹介している。

調査は2017年12月20日から18年5月31日まで、18歳以上のトラックドライバー325人に対し、セルフ型ネットリサーチ「Fastask」のアンケート調査とブルル会員へのヒアリング調査を併用して行われた。

なお、GfKジャパンが17年12月18日に公表した「危険運転に関する消費者調査」の結果では「9割」が運転中に煽られたと回答している。乗用車、トラックのどちらが被害者でどちらが加害者なのか、という議論ではなく、いずれの調査結果でも圧倒的多数が「煽られた経験がある」と回答していることに注目し、乗用車、トラック問わず運転者全員が自戒の契機として捉えるべきだろう。

■ブルルが公表した「ヒアリング結果」の例
「日常的に普通によくあおられる。無視するのみ」(54歳)
「乗用車にあおられ幅寄せされた。相手にしない」(55歳)
「しょちゅうあおられる。ひたすら気づかないふりで、相手が飽きるのを待つ」(46歳)
「多すぎて覚えていない」(48歳)
「高速で追い越し車線を走行中にあおられた。最高速度が会社で決まっているため、あまりスピードが出せません」(49歳)
「2年前に静岡県の国道1号線で運送というトラックがぶつけるように割り込もうとしてきたので、クラクションを鳴らしたら、前に割り込まれ、急ブレーキを何度も踏まれ、ぶつかりそうになった」(64歳)
「あおられた経験なんて何回もあるし、いちいち覚えてない。車両に搭載しているデジタルタコグラフ(デジタコ)がGPSと連動してリアルタイムに会社の事務所に表示されるようになってからは、制限速度を守っている。山越えなどではあおられるので、すぐかわせるように避けるようになった」(47歳)
「国道44号線で運輸のトレーラーに追い抜かれたあと、目の前で急ブレーキをかけられた。その後、前に被せるように走り続け、最終的に止められ、文句を言われた。反論しても話の通じない運転手だったので、聞き流して事なきを得た」(32歳)
「追い越し禁止の一般道で乗用車にぴったりとくっつかれた。デジタコ搭載車なので制限速度が決まっていて、どうにもならないのでしばらくそのまま走行し、道幅が少し広い所でハザードを焚いて左に寄せて停車した。煽ってきた乗用車は、脇を通りすぎる時、クラクションをずっと鳴らして行った」(51歳)
「第二神明道路で赤いキャデラックに追い回されたが、進路を譲ったらそれ以上は何も起こらなかった」(43歳)
「昼間に国道で乗用車に被せられて、止めさせられた。降りて話し合いになったが、言い合いになり、捨て台詞を吐かれ、逃げられた」(38歳)
「私の会社の社速は、高速道路で時速80キロ以下なので、結構、あおられる。80キロ出して、1分以上走ると罰金になる」(55歳)
「後ろにピッタリ張り付いてきたので、頭にきたから急ブレーキを踏んでやった」(49歳)
「制限速度を守っていたら、後ろから蛇行運転であおられて追い越された」(53歳)
「会社の規定で制限40キロなので、ダンプや乗用車、タクシーなどにあおられるのはしょっちゅう経験している。片側1車線では避けることもできず、あまりにひどいあおりの場合は横道に入り込んでやり過ごす」(53歳)
「東名で所沢ナンバーに幅寄せなど、やりたい放題された。クラクション鳴らしっぱなしで追いかけたが、速度いけず取り逃がした。ナンバーを警察に通報すればよかったのだが、頭にきていたので…」(63歳)
「当社は法定速度厳守だ。バイパスを走行していた際、私の速度が遅いため後続車両が数珠つなぎになり、後ろのトラックがクラクションを鳴らしながらハイビームで左右に車体を振りながら車間距離を詰めてきた。片側2車線になったので左に寄ると追い越しの際に幅寄せされた」(47歳)
「1車線道路で社速を守って走行中に乗用車にバンバンあおられ、パッシングされたが、社速があるのでそれ以上は出せない」(45歳)
「一般道で乗用車に無理な追い抜きをかけられ、あまりに危険だったので減速して先に行かせた」(45歳)
「東北道加須あたりで、車線変更後に後方から乗用車にあおられた。ジグザグ走行や幅寄せなど。スピードを落として、やりすごした」(56歳)
「高速道路の追い越し車線であおられた。関わり合ったくないので素直に道を譲りた」(35歳)
「30キロ道路を法定速度で走っていたら、セダンの乗用車に車間距離を詰められた」(42歳)
「国道でハイエースバンにかなりの時間にわたりあおられた。急ブレーキをかけて、あえて追突されようかと何度も思いたが、なんとか自重した」(62歳)
「スピードリミッターが付いているし、荷崩れの心配もあるのでスピードは出せない。一般車のドライバーはリミッターのことやトラックの制動距離のことなど知らないはずなので、もっとPRが必要なのではないないか」(48歳)