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日本製鋼所など7社、水素サプライチェーン構築へ実証

2018年6月25日 (月)

荷主日本製鋼所は22日、大成建設を代表企業として室蘭市、九州大学、室蘭工業大学、巴商会(東京都大田区)、北弘電社と共同で、水素の製造・貯蔵・運搬・移送・利用までのサプライチェーンを構築する実証事業を行うと発表した。

実証では、室蘭市が所有する祝津風力発電所で発電した電気を使い、水電解水素製造装置で水素を製造し、車載用コンテナに収納した水素吸蔵合金タンクに貯蔵する。現在普及している水素貯蔵方法は数百気圧の高圧水素ガスで貯蔵しているが、今回は水素吸蔵合金を用いることで水素を低圧・大量・安全に貯蔵可能にする。これにより建物や街区への水素の普及促進を実証する。

▲実証イメージ(出所:日本製鋼所)

水素を充填した水素吸蔵合金はコンテナごと運搬車両に搭載し、水素利用場所の温浴施設に運ぶ。温浴施設には定置型の水素吸蔵合金タンクと純水素型燃料電池を設置し、車上の水素吸蔵合金タンクから水素だけを移送。燃料電池で発生する電気と温水は温浴施設で使用する。

この水素移送時には「熱のカスケード利用」を行い、水素を吸収する側のタンクで発生する熱を、放出する側のタンクの加熱に利用する。また、定置型水素吸蔵合金から水素を放出するために必要な熱は、建物からの低温排熱を利用しエネルギーの効率向上を目指す。

実証事業は環境省が公募した「地域連携・低炭素水素技術実証事業」に、日本製鋼所グループが提案した実証事業が採択されたもので、今年度から来年度まで行う。