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働きやすい物流企業ランキング、三菱倉庫が1位

2018年8月22日 (水)

話題企業の口コミ・給与明細情報を掲載するウェブサイト「キャリコネ」は22日、物流・倉庫業界を対象とした「働きやすい企業ランキング」を発表した。1位となった三菱倉庫をはじめ、2位に三井倉庫、6位に住友倉庫と、財閥系の老舗倉庫会社が上位にランキングされた。

▲「物流・倉庫業界の働きやすい企業ランキング」(キャリコネより)

同ランキングは、グローバルウェイ社(東京都港区)が運営する企業の口コミサイト「キャリコネ」の集計によるもので、サイト利用者が「労働時間」「やりがい」「ストレス」「休日」「給与」「ホワイト度」の6項目を評価し、その平均点(総合評価)が高い物流・倉庫会社をまとめた。

1位の三菱倉庫は1887年に創業した老舗倉庫会社。社員の健康増進のため「健康づくりセミナー」を開催しているほか、メンタルヘルスケアにも力を入れている。仕事と家庭との両立の面では、子供が2歳になるまで利用できる育児休業制度、勤務時間を最大2時間短縮できる短時間勤務制度などを用意。項目別に見ると「労働時間」「やりがい」「給与」「ホワイト度」で最も高い点数を獲得した。

「(仕事の面白味)若いうちから比較的大きな顧客さんを担当することもあるし、自分がやりたいことのビジョンがはっきりしていれば、ある程度自由にやらせてくれる。物流業を追求するとマニアックな面もあるので、性格的に合う人には面白い」(物流サービス20代後半男性、年収573万円)

「(残業・休日出勤の状況)完全に部署によりけり。庶務、総務などの管理部門であれば定時に帰れる場合が多いように思える」
(物流サービス20代後半男性、年収500万円)

2位は三井銀行・倉庫部が独立して誕生した三井倉庫で倉庫事業、港湾運送事業が主力。2014年に持ち株会社に移行し、「三井倉庫ホールディングス」となった。グループの強みを活かし、陸運・海運・空運すべてを使いグローバル展開している。研修制度も充実させていて、若手社員を海外に1年間派遣する研修がある。平均年齢は40.7歳、平均年間給与は734万5000円。

「全体的に穏やかな人が多く、これ以上ないほど働きやすい環境であった。旧財閥ということもあり福利厚生は抜群。一流企業のレベルであると言える」(貿易事務・国際業務20代後半男性、年収750万円)

「(仕事の面白味)営業としての立場で、大手企業の物流改革に向けた提案を行える。対象企業のサプライチェーンの全体像を仮説とヒアリングをもとに紐解き、会社としてできるレベルの内容を提案する」(営業マネージャー20代後半男性、年収450万円)

同点で2位となったのは、ドイツポストDHLグループのディー・エイチ・エル・ジャパン。220を超える国と地域で事業を展開し、米国で設立された同社の日本法人で、グループ全体としてダイバーシティ・マネジメントに力を入れており、日本法人でも「社員意識調査」をもとに、時間単位での有休取得を可能にするといった改善策を実施。2018年の「働きがいのある会社」ランキングでは12位となっている。

「女性が働きやすい職場だといわれるだけに、各種制度がそろっていると感じる。日系同業他社に比べるとその幅広さは群を抜いており、ワークライフバランスを重視する方にはおすすめの職場だと感じる。女性管理職は少ないが勤続年数は長い」(代理店営業40代後半男性、年収1000万円)

「一般的に外資でイメージされるようなギスギスしたような雰囲気はなく、比較的人間関係も穏やかに思われる」(海外営業30代後半男性正社員、年収700万円)

4位は「システム物流」(3PL)事業を1980年代から展開し、世界中のネットワークとIT・物流ノウハウを活かした総合提案・運営を提供する日立物流がランクイン。現在は日立製作所の持ち分法適用会社となり、SGホールディングスと資本業務提携を結んでいる。女性の活躍推進に注力しており、20年度までの目標は「女性管理職比率10%」、「女性役員登用」。15年に「ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれ、17年には「くるみん」に再認定されている。

「(仕事の面白味、やりがい)物流倉庫業日本一の企業であり、さまざまな種類の顧客が存在する。そのため同じ倉庫管理という業務でもオペレーションを行ううえでの課題や収益の構造などに違いがあり、大変勉強になる。業界に応じたサービス、オペレーションを作っていく機会もある。また近年は日本企業の海外進出のサポートなどで海外勤務のチャンスもある」(物流サービス20代前半男性、年収350万円)

「数年前、監督庁の指導が入ったため、いわゆるサービス残業は非常に少なくなった。また、休日出勤もその残業対象となるため、以前に比べ土日祝日の勤務率も非常に減った」(海外営業40代前半男性、年収1000万円)

5位は日本郵船グループで44の国・地域で事業展開するフォワーダー、郵船ロジスティクス。25年度までの目標は売上高8800億円。ゼネラリストコースの社員のうち4割は海外勤務を経験しており、対象社員を海外の現地法人に1年間派遣するなど、グローバル人材の育成に力を入れている。

「グローバルに海外とやりとりをしながら進める仕事が多いので、海外志向の方や、英語が好きな方には面白味のある仕事かと思う。非常に急ぎの貨物をスムーズに取り扱いができ、顧客に感謝されたときなどは、やりがいを感じます。正社員限定だが、海外で働きたい方は、海外駐在という選択肢もあるので、その点もやりがいだと思う」(カスタマーサポート20代後半男性、年収400万円)

「基本的に残業はあまりない、平均的に月30時間以内。残業代はすべて出る。有休も部署にもよるが基本的に取りやすい。夏季休暇もチーム内で調整をすれば1週間の長期休暇を取ることも可能。休日出勤は滅多にない(これまた部署によりけり)」(IR20代前半男性、年収400万円)

6位:住友倉庫

「(福利厚生)独身寮と社宅があり、新入社員の入寮率は高い。家賃はただ同然なので、光熱費も発生しない。朝晩はそれぞれ200円、600円程度支払えば用意された食事をレンジで温めて食べられる。当然給料は貰った額がそのまま手元に入ることになるので、車の所有率が高い」(物流サービス20代後半男性、年収600万円)

7位:日本郵便

「産休・育休を取得した後、職場復帰される方がかなり多い。それが当たり前になっているため、女性は本当に働き続けやすい企業だと思う。復帰後は、負担にならないよう業務が楽な部署で働く方が多い」(商品企画20代後半女性、年収700万円)

8位:近鉄エクスプレス

「貿易実務の仕事柄、物流の後工程となるため残業は多いが、業務行程の改善や周りとの連携で残業を減らし、早く帰れる人も多い。業務の共有化が進んできているので、残業は改善されていくと思われる。休日出勤、土曜日のみ、2・3か月に一度シフト制度出勤があるが、日曜日や祝日は完全な休みとなる」(法人営業30代前半男性、年収600万円)

9位:佐川グローバルロジスティクス

「休日は年間107日でしっかり確保されているので、プライベートも確保できる。休日出勤は特にない。残業時間は多いところもあれば少ないところもあるし、閑散期や繁忙期でかなりの差があり、配属場所によるので一概にはなんとも言えない」(物流サービス30代前半男性、年収400万円)

10位:佐川急便

「子育てをする女性が大変働きやすい環境がある。産休や育児休暇はもちろん、復帰後も時間短縮勤務が可能だ。お子さんのお迎えに間に合う時間で退社できるし、急な体調不良で欠勤しなければならない状況があっても周りが協力的だ。営業職はまだまだ男性が多いようだが、事務職はおすすめできる」(物流企画30代後半女性、年収450万円)