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「キャリコネ」調べ

運輸業界の平均年収、宅配3社は400万以下に

2018年10月18日 (木)

調査・データ企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」を運営するグローバルウェイ(東京都港区)は18日、ユーザーが投稿した情報をもとにまとめた「運輸業界の年収ランキング」を発表した。1位は東海旅客鉄道(JR東海)で平均年収は540万円、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の宅配3社は400万円を下回る結果となった。

▲運輸業界の年収ランキング(キャリコネより)

調査対象は、「日経業界地図 2018年版」(日本経済新聞出版社)の「倉庫」「空運」「海運」「陸運」「鉄道」に記載があり、2013年4月1日から18年3月31日までの期間中に「キャリコネ」に雇用形態が正社員のユーザーから給与明細投稿が20件以上寄せられた企業としている。

なお、「ランキングの平均年収はユーザーから寄せられた情報をもとに算出しており、企業が発表している数値とは乖離がある場合がある」としている。

1位のJR東海は、東海道新幹線をはじめとした鉄道事業で、話題となったリニア中央新幹線は2027年開業を目指している。口コミでは「仕事内容や仕事量に対する報酬は満足。休みも保障されており自身の時間も十分ある」(物流サービス/20代後半男性/年収420万円)、「基本給+各種手当の合計としては平均以上の印象。年収のなかの賞与の割合も高く、全体の年収は世間一般からみればとても良い」(施工管理/20代前半男性/年収540万円)などの声があった。2018年春闘では月額1300円のベースアップ(ベア)を回答しており、ベア実施は5年連続。夏期ボーナスは3.05か月分と回答している。

2位は東日本旅客鉄道(JR東日本)で平均年収452万円。1日に1750万人が利用するというJR東日本、売上高や輸送人員、営業キロ数などで「ほかを圧倒」している。

「駅や乗務員区などのいわゆる『現場』は超勤手当、職務手当、乗務などの各種手当はきっちり支給される。ボーナスも年間約6か月分支給されるし、出ないことはないので年間の支出の計画も立てやすい」(その他職種/30代前半男性/年収500万円)などの声が寄せられた。2018年春闘では5年連続のベアを実施。初任給も5000円加算している。

3位は全日本空輸(ANA)で440万円。航空会社の格付け調査を行なうスカイトラックス発表の「エアライン・オブ・ザ・イヤー2018」で2年連続3位になったANA。ANAグループは国内線・国際線とも売上高などで国内1位で、規模・品質ともに高水準を維持。組織力重視の方針を掲げ、2014年度には総合職に役割グレード制度を導入している。

「仕事内容から思えば、給与は相応額もらえていたと思う。また、宿泊時の手当てや福利厚生なども大企業らしく充実していた。部内にはいろいろな雇用体系の社員がおり、入社時期によっても給与に大きく差が出る」(物流サービス/20代後半女性/年収390万円)といった声があった。

4位は日本通運で438万円。一般貨物輸送や鉄道貨物輸送に強みがあり、物流ニーズに「陸・海・空」全てで幅広く対応する総合物流企業「日本通運」。福利厚生なども大手企業に相応しい水準と言え、「会社が大きいので安定していると思う。賞与も年2回出ており、このご時世では安心感がある内容」(法人営業/30代前半男性/年収480万円)といった声もあった。人材不足などを背景に2年連続で賃上げをしており、2018年春闘では5260円のベアで妥結。年2回の賞与は前年比で9万円高い118万円となった。

5位は日本航空(JAL)で434万円。東京証券取引所に再上場した12年以来、収益性重視の経営を打ち出し、16年度には目標だった5年連続営業利益率10%を達成した。17年度も12.6%で引き続き達成している。有価証券報告書に記載の平均年収も年を追うごとに増加している。

「国内、国際線の無償チケットが制限ありだが毎年配布される。他社便でも割安な航空会社社員用のチケットを購入できる」(物流サービス/30代後半女性/年収550万円)といった声も。また、航空会社の大切な指標のひとつである「定時到着率」では、17年の年間でアジア太平洋地域部門1位となっている。

6位は西日本旅客鉄道(JR西日本)で411万円。「世間一般的な報酬額が出ている。ボーナスについては年2回、基本給の2.6倍が夏、冬の2回支給される。残業手当は働いた時間分は確実に支給されている。ボーナスは年間約190万円程度支給され、満足できた。また、退職金制度も算定基準ができていて充実されている」(建設・設備関連職/50代後半男性/年収700万円)。

7位は山九(409万円)。「月収25万円程度。査定は、半期に1回の評価で決定される。良い点は、収入のアップダウンが激しくないこと」(電気・通信設備施工管理/20代前半男性/年収400万円)。

8位はヤマト運輸(387万円)。「基本給のほかに、扶養手当、残業手当、地域手当などがある。地域手当は都市部は高く、地方は安い傾向だった。入社する前に自分が勤務しようとしている地域の支店について情報を仕入れたうえでの転職を非常に強くすすめる」(物流サービス/20代前半男性/350万円)。

8位は佐川急便(387万円)。「普通のサラリーマンと同じくらいの給料だと考えてもいい。残業手当を考えてみてもそんなもんだと思う。いいところとしては、一応大手の会社なので、福利厚生はちゃんとしている。住宅手当は、それなりに出るのでとても助かっていた」(カウンターセールス/20代後半男性/年収400万円)。

10位は日本郵便(349万円)。「保険や貯金などの金融商品の渉外を担当しているが、契約によりインセンティブが生じるため、営業のできる社員ほど年収は高い。事務的な企業というイメージがあるが、営業色は強い。手当部分の比率を上げているため、現状保険がとれる人は働きやすいと思う。会社の看板が非常に大きいため、顧客とのつながりはつくりやすい」(ルートセールス/30代前半男性/年収550万円)。