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台風21号、関西の物流インフラに大きな爪あと

2018年9月5日 (水)

環境・CSR国土交通省が5日5時時点の情報としてまとめた台風21号の影響によると、関西方面では多くの港湾でコンテナが流出したり、道路や上屋が破損したりと大きな被害が発生している。

神戸港では、本土側とポートアイランドを結ぶ港島トンネルが浸水で通行止めとなり、岸壁・ヤードが浸水、一部で停電が発生し、コンテナも落下した。六甲アイランドでは複数のコンテナが高潮で流出し、ヤード内でコンテナが転倒、臨港道路が浸水して障害物が一部残っている。

阪神間の各港(尼崎西宮芦屋港)は鳴尾浜地区でガントリークレーンが倒壊し、臨港道路が浸水。甲子園地区で民間の建物に火災が発生し、消防活動中となっている。前浜地区では防潮堤外側の水叩きに小型船舶の打ち上げ、西宮地区では複数台の中古車で火災が発生し、防波堤に土運船と貨物船が接触、3-4基の陸閘(りくこう)が転倒し、臨港道路が冠水している。

大阪港は舞洲・夢洲コンテナターミナルで複数のコンテナが流出、夢洲コンテナターミナルではタイヤ式ガントリークレーン(RTG)2基が倒壊し、ヤード内でコンテナが転倒している。また、臨港道路も新木津川大橋、夢舞大橋が通行止め、大正内港地区でははしけ15隻・作業船12隻が漂流し、国交省が所有者らに回収・撤去を指示した。

南港北地区はコスモスクエア駅バスロータリーの東屋屋根が破損、コスモ海浜緑地の施設が一部破損した。南港地区は上屋の屋根やフェリーターミナル第1桟橋斜道路が破損、港地区も上屋の屋根に被害が出た。北港北地区では白津岸壁フェンスや舞洲フェンスが破損し、同南地区のC-10岸壁でトランステナー損傷を受けた。

堺泉北港は、助松・夕凪地区のソーラスフェンスの一部が破損。堺2区で岸壁が浸水し、近畿圏臨海防災センターの資材が飛散、フェンスが破損しトレーラーが横転した。

関西国際空港では、滑走路、誘導路など第1ターミナルビル側A滑走路の滑走路、駐機場のほぼ全域が冠水しており、4日12時からA・B滑走路ともに閉鎖中。再開時期は未定で、5日中の再開予定はないという。

航空保安無線施設の一部を予防的に停止しており、5日夜明け(5時ごろ)に現場確認を行う。

第1・第2ターミナルビルに滞留している旅客はおよそ3000人となっており、非常食として乾パンやビスケット、水、ブランケットなどを配付。5日朝からバスの運行を開始する方向で調整している。バスは日根野、泉佐野へ向けてピストン輸送を実施する。旅客船は5日6時頃から、関西国際空港から神戸空港で無料運航を開始する。

中部国際空港、大阪国際空港、徳島空港では空港運用へ影響を与えるような空港施設などへの被害は確認されていないが、中部国際空港と徳島空港で立入禁止柵の一部が破損、大阪国際空港では搭乗橋の接続部とガラスが破損している。