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富士通、シンガポールで市民配送にAI導入検証

2018年9月14日 (金)

話題富士通、シンガポール科学技術研究庁、シンガポールマネージメント大学の3社・機関は、ケッペルロジスティクス傘下のアーバンフォックスが管理する配送オーダーとデリバリー・パートナーの居住エリアや過去の配送実績情報をもとに、最適な宅配をAIが提案する技術の有効性を検証するため、シンガポールで実証実験を開始した。

シンガポールは小売業の売上に占めるECサイトなどのオンライン取引の割合が5.4%と高く、宅配需要の急増に伴う人手不足が重要な課題となっているが、アーバンフォックスは一日5000件以上、繁忙期には通常の2倍以上の配送を請け負っている。

こうした中、配送環境の急速な変化に対応するため宅配を一般市民が代行する革新的な取り組みをスタートさせたものの、これらの市民が大量の配送オーダーから宅配を選択することが難しくなっていた。

効率的な配送ルートを考慮した最適な宅配を選ぶための「より高度なソリューション」が求められていたわけだが、こうした課題に対し、富士通などはAI技術を用い、デリバリー・パートナーに最適な宅配や配送ルートをレコメンドするシステムを構築、宅配の人手不足解消を目指す。

実証実験は実験は9月から2019年7月まで、デリバリー・パートナー30人が参加して行う。過去の配送オーダーやデリバリー・パートナーの行動特性と配送実績の相関関係などを分析、これらのパターンをAIが学習することで、宅配の提案精度を高める。併せて、デリバリー・パートナーがレコメンドされた宅配に対する選択結果も学習させ、継続的にレコメンドの有効性を検証していく。

富士通では、共同実証で得る知見やノウハウを組み合わせ、物流事業者向けに一般配達員への業務と配送ルートのレコメンド機能をサービスとして提供する方向で検討を進める。アーバンフォックスはシステムの本格導入を検討する。