調査・データ国土交通省は10月31日、高齢化が進行する中山間地域で人流・物流を確保するため、自動運転サービスの長期実証実験を開始すると発表した。2020年までの社会実装に向け、自動運転に対応した道路空間の基準整備、地域の実情に応じた運行管理システムやビジネスモデルの構築を目指した「より実践的な実証実験」を行う。
11月2日には、12月21日まで50日間の日程で全国初の長期実証実験を福岡県みやま市で開始する。
長期実証実験は、技術面で自動運転に対応した道路空間の基準などの整備、中山間地域の特性を活かした専用・優先の走行空間の確保方策を検討するほか、自動運転車両の運行管理センターを設置したり、走行状況や車内状況のモニタリング手法を検証したりといった検証内容を予定。
ビジネスモデルの面では「自動運転事業サービス法人(仮称)」など地域の状況に応じた事業主体を検討し、地域住民のボランティア参加など低コストで運行する方式も検証する。また、農産物や日用品の貨客混載などを通じた関係企業からの支援についても検証対象とする。さらに、長期間の日常的な利用を通じて採算性、持続可能性を検証するため、利用者から燃料代を徴収してサービスを提供する。