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NEDOと京大、トラックの燃費向上と減速感抑制を両立する変速システム開発

2010年8月25日 (水)

話題非円形歯車を用いた2段変速システム新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と京都大学は25日、同大学の小森雅晴准教授(大学院工学研究科機械理工学専攻)が、トラック・バスなどの燃費向上と変速時に生じる減速感の抑制を両立できる変速システムを開発したと発表した。

 

今回開発した技術は、非円形歯車が変速前後の歯車の両方の形状を兼ね備えることにより、滑らかに減速比を変化させることができるというもので、変速の際に生じる”駆動力抜け”をゼロにできるため、加速時の燃費を向上させることが可能となる。また、常に駆動力を伝えられるため、変速時でも速度低下することなく加速でき、運転者や乗客の疲労軽減、安全性や快適な運転の実現も期待できるという。

 

さらに、変速の際に回転角度を正確に伝達できる特徴を活かし、産業機器・ロボットの駆動装置への応用、高齢者向け移動装置など、新たなモビリティを実現するための駆動装置としての利用も期待される。

 

研究はNEDO産業技術研究助成事業(若手グラント)の2009年度採択課題「トラック・バスの変速時の駆動力抜けによるエネルギー損失をゼロにし、変速中も加速可能な低燃費高加速型変速機の開発」の一環として得られたもので、9月29日から10月1日まで開催されるイノベーション・ジャパン2010に展示される。

 

今後、試験車両に変速システムを搭載して試験などを行い、早期の実用化に向けて研究を進めていく。

 

■イノベーションジャパン2010のURL
http://expo.nikkeibp.co.jp/innovation/2010/