ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

いすゞなど6社・団体が協力

ユーグレナ、バイオD燃料の製造実証プラント竣工

2018年11月2日 (金)

環境・CSRユーグレナ(東京都港区)は2日、横浜市鶴見区の京浜臨海部で国内初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを10月31日に竣工した、と発表した。

実証プラントを活用した取り組みにはいすゞ自動車、横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、ANAホールディングス、ひろしま自動車産学官連携推進会議が協力。同社は「日本をバイオ燃料先進国にすることを目指す『グリーンオイルジャパン』を新たに宣言する」と表明した。

日本も加盟する国際民間航空機関(ICAO)では、2016年総会で「20年以降CO2排出量を増やさない」ことが加盟国間で合意され、その対策としてバイオジェット燃料の導入が有望視されている。

米国、EU主要国、カナダやオーストラリアのほか、シンガポール、タイ、中国やインドといったアジアの国々ではすでに導入が進んでいるが、日本では「バイオジェット燃料を使用した有償飛行」は実現しておらず、世界の主要国に対して取り組みが遅れているのが現状だ。

また自動車用バイオ燃料は、自動車用燃料全体の内訳として米国で22年までに18%、EU各国では20年までに10%へ使用割合を増やす目標が設定されているが、—-日本ではガソリンとディーゼル代替のバイオ燃料の導入目標が「22年までで年間数%程度」にとどまる。

こうした中、ユーグレナは15年12月1日、いすゞ自動車、横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、ANAホールディングスの協力を得て、20年に向けた国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化計画を始動させると発表。17年6月1日に日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料の実証プラント建設に着工し、ことし10月31日に竣工を迎えた。

実証プラントは19年春から本格稼働し、微細藻類ミドリムシ(学名ユーグレナ)や廃食油を主原料としたバイオジェット・ディーゼル燃料の製造を開始する。20年までにプラントで製造する国産バイオジェット燃料を使用した有償飛行の実現を目指すほか、19年夏からは実証プラントで製造した次世代バイオディーゼル燃料の供給を開始する。

次世代バイオディーゼル燃料は、すでにいすゞが性能試験を行い、エンジンに変更を加えずに含有率100%で使用できることを確認。これを受け、いすゞでは12月から次世代バイオディーゼル燃料を含有した燃料を用い、藤沢工場と湘南台駅間の定期運行シャトルバスで実証走行を立ち上げる。

今後、ユーグレナは25年までに年間25万キロリットルのバイオジェット・ディーゼル燃料を1リットル100円で製造する商業生産体制を整え、30年までにバイオ燃料100万キロリットル(年間)の供給を目指す。