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ユーグレナとデンソー、バイオ燃料で提携合意

2019年2月20日 (水)

▲左から、出雲充氏と伊藤正彦氏

環境・CSRユーグレナとデンソーは20日記者会見し、微細藻類に関する両社の知見を持ち寄って新たな事業の実用化に取り組んでいく「包括的な提携」関係を結ぶことに合意したと発表した。「複数の微細藻類」を原料としたバイオ燃料を製造し、多様な原料調達やバイオジェット・ディーゼル燃料の安定供給に向けた研究を加速させる。

ユーグレナの出雲充社長は会見で「2025年までに25万トン、ゆくゆくは1リットル100円の水準を目指したい」と述べた。現在の生産力は100トン程度にとどまっており、1リットル1万円程度となっていることから、デンソーとの提携を機に生産効率の飛躍的な向上を図りたい考え。

具体的には、ユーグレナのバイオ燃料製造実証プラント向け原料の一部として、微細藻類「ユーグレナ」(ミドリムシ)の油脂だけでなく、「コッコミクサKJ」(旧名シュードコリシスチス)から抽出される油脂を使い、バイオ燃料を製造・供給できるようにする。デンソーは、ここから作られたバイオディーゼル燃料の一部を社内運行バスに使用することも検討する。

ユーグレナは、2020年に向けた国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化計画をリードしており、低コスト大量培養技術の開発、18年10月末に竣工したバイオ燃料製造実証プラントによるバイオジェット・ディーゼル燃料の実証製造・供給を19年から開始する方針。18年11月には「日本をバイオ燃料先進国にする」という構想を明らかにしている。

デンソーは08年からコッコミクサKJを活用したバイオ燃料の研究に取り組み、藻体に占める油脂分の蓄積効率向上の研究、屋外大量培養技術の確立に向けた実証実験を行っている。